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放送とネットをつなげる新しいラジオ「Hint」、ニッポン放送などが開発(2/2 ページ)

» 2016年07月20日 16時29分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]
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 DTMF音を受けたHintは、近く(5〜10m)にあるスマホにURLを一斉配信するため、視聴者はワンタッチで目的のWebサイトにアクセス可能。ペアリングのいらないBLEビーコンならではの使い方だ。

“ピポパポ”という音を受信するとHintのLED発光で知らせる

 この仕組みを利用すると、例えば「スタジオに可愛い娘が来たとき、写真をインスタグラムに上げてリスナーにURLを配信する。あるいは番組で紹介した飲食店の地図情報を配信する。地元のお店のクーポンがスマホに届くといった使い方もできる」(吉田氏)。ほかにもアーティストの楽曲紹介でiTunesの販売ページへダイレクトに誘導したり、ラジオショッピングでECサイトの決済ページのURLを配信して「電話をかける」行為を不要にするなど、多くの使い方が考えられるという。

スマートフォンに配信されたURLのイメージ

 またEddystoneは、今後Androidの標準機能になる予定。iPhoneでも「Google Chrome」が入っていれば利用できるため、誰でも専用アプリのインストールなど必要なく使える点もポイントだ。

 「ラジオ局にとって、URLを配信できるメリットは計り知れない。しかも世界標準技術なので世界中で使える。規格乱立を防ぐためにIPはトーンコネクトが持つが、そこで大きく儲けるつもりはなく、技術は他の企業にも提供する。ほかのメーカーから対応製品が出てきたり、ほかのラジオ局が対応する番組を放送する可能性もあるだろう」(吉田氏)。なお、ニッポン放送では「将来的にこの機能を利用した放送を予定、検討している」としている。

ラジオ局ならではのユニークなリターン

 「CAMPFIRE」によるサポーター募集は同日スタートした。目標支援金額は1100万円で、クリアできれば量産に取りかかる予定。支援者には「遅くとも年内にはお手元に届くようにしたい」と生産を担当するcerevoの岩佐氏は話している。

出足は好調

 支援者へのリターンはラジオ局ならではのユニークなもの。初回限定カラーの「シャンパンゴールド」を用意するほか、ニッポン放送のスタッフがミニ・ラジオ番組を作って音源をプレゼントしたり(放送はしない)、ニッポン放送スタジオへの見学会参加権、HintのスポットCMに声で出演する権利(実際にオンエア予定)など、さまざまな特典を用意した。クラウドファンディングによる支援受付は9月20日まで。

 「ラジオというメディアを1から見つめ直し、できあがったラジオ。斬新なデザインと、ラジオに新しい価値を与える新機能を持っている。新しいラジオの形がここにある」

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