Firefox OSは一般には聴き馴染みのないプラットフォームかもしれない。PC用ブラウザのFirefoxを開発する米Mozillaがモバイル向けOSとして発表し、これをテレビ向けに発展させたものをビエラが採用している。過去には搭載するスマホも商品化され、日本ではKDDIが2014年末に「Fx0」という端末を発売したが、国内ではこれが唯一の端末になってしまった。というのも、プラットフォームの開発元であるMozillaが、今年のはじめにモバイル端末向けFirefox OSの開発終了を宣言したからだ。
パナソニックはFirefox OSを搭載するテレビを世界で初めて発売したメーカーだ。同社としてはFirefox OSが特徴としてうたう「ソースのオープン性」を生かしながら、柔軟で使いやすいプラットフォームを開発できるメリットを買ってFirefox OSの可能性にかけたわけだが、一方でモバイルやオートモーティブなどエレクトロニクスの各分野にFirefox OSが広がっていくことにも期待を寄せていなかったわけではないと思う。Andorid OSがモバイルやテレビ、PCやオートモーティブとシームレスにつながるプラットフォームであることを大きな優位性としつつあるが、かたやFirefox OSは今後もパートナーが広がらないことには、ハード機器だけでなく例えばスピード感のあるテレビ専用アプリの開発も難しくなるかもしれない。
ブラビア、ビエラともに、付属するリモコンの「ホーム」ボタンを押すと、Android TV、Firefox OSをベースにしたホーム画面が立ち上がる。テレビの放送、インターネット動画やゲームアプリなど多彩なエンターテインメントへの窓口となるコンテンツプラットフォームだ。どちらのテレビもNETFLIXやHulu、dTVなどのVODサービスやYouTube動画を視聴するためのアプリがプリインストールされており、マーケットから検索して新しいアプリも追加できる。
ブラビアではGoogleの音楽配信サービス「Google Playミュージック」が利用できてうれしい。同サービスに登録しているユーザーであれば、外出先はスマホで、宅内ではテレビで聴き放題の定額制音楽配信サービスがスマートに楽しめる。とくにハイレゾ対応スピーカーと、さまざまな音源をハイレゾ相当の良い音にアップスケールする「DSEE HX」の効果は目覚ましく、X9350Dシリーズさえあれば、もうリビングに専用のオーディオシステムは要らないのではと感じるほど。テレビの電源を立ち上げてオーディオシステムを生かしたまま、画面だけを「消画」できる機能も便利だ。
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