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群を抜いた高画質、ソニー「Z9D」の“魅せるHDR”山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(3/3 ページ)

» 2016年09月21日 06時10分 公開
[山本浩司ITmedia]
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Ultra HD Blu-ray Disc映画ソフト「レヴェナント:蘇えりし者」

 「シネマプロ」「シネマホーム」という映画鑑賞用画質モードに設定して65V型、75V型で観たUltra HD Blu-ray Disc映画ソフト「レヴェナント:蘇えりし者」のすばらしさは、ちょっと忘れ難いものだった。漆黒の夜闇のなか赤々と燃えるたき火によって鮮やかに照射されるトム・ハーディの狡猾(こうかつ)な表情、見事なコントラストと豊かなグラデーションで表現される朝焼けの中をさまよい歩くレオナルド・ディカプリオの絶望的な後ろ姿。そんな映画的エモーションが画面からこぼれ落ちるのを目の当たりにし、深い感動を味わったのである。

 最近お気に入りの高画質Blu-ray Disc「黄金のアデーレ 名画の帰還」で描かれるクリムトの絢爛(けんらん)豪華な肖像画の描写もすばらしかった。金属の輝きのリアルな描写は、液晶テレビの苦手とするところだが、Z9Dで観る金色の鮮やかさは思わず息をのむほど。再生プレーヤーのパナソニック「DMR-UBZ1」の再生設定機能を用いて中域、高域の解像度調整を行うとZ9Dはリニアに反応し、UHD BDと見間違えるほどのキレのある映像を見せてくれるのだった。他社の液晶大型テレビでは、これほどビビッドに反応してはくれない。本機の基本性能の高さは、こういうところからもうかがい知れる。

 100V型大画面の迫力にも圧倒された。この大画面でも画質に粗さはまったく感じられず、どんどん画面ににじり寄りたくなる高S/Nでキレのよい映像が楽しめるのである。

100V型「KJ-100Z9D」の設置イメージ

 2000lm(ルーメン)程度が最大輝度の家庭用プロジェクターでHDRの魅力を堪能するのは難しく、やはりHDRコンテンツを楽しむなら直視型か? と改めて実感させられたが、700万円という値段では、残念ながらちょっと手が出ない。また、ぼくの狭い部屋ではさすがに100V型直視型は手に余る。画面を消したときの「そこにいる」存在感を想像すると、やはり使わないときは巻き上げ可能なスクリーン大画面が生活空間にフィットするよナ……と思う。

 この画質、この明るさでくるくると巻き上げられる超薄型大画面テレビがあればナと思うけれど、それはやはり液晶タイプでは無理ですね……。

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