以上、2回に渡ってDM200のレビューをお届けした。ざっと1週間ほど試用してみたが、「もっとこうしたほうがいい」という部分は多々あるものの、その多くは「なるほど、何らかの制限のためにこうした仕様になっており、これ以上は難しいのだろうな」と納得せざるを得ないものだ。
とはいえ、ユーザーにとってはそれらは関係ない話で、これを「詰めが甘い」と評する人も、恐らく多いことだろう。
筆者としては、テキストを快適に入力できるデバイスとしての本分がきちんと維持されていることは高く評価したいのだが、新たに搭載された同期機能が微妙な使い勝手であることから、買いか否かと問われると、非常に返答に困るというのが率直なところだ。
「重量」および「価格」の影響も大きい。まず重量については、初代の約370gに対してDM200は約580gと、もはや一部の2in1やノートPCとほぼ変わらないところまでウェイトが増している。既に持ち歩いている1kgオーバーのノートPCをDM200に取り換えるのであれば利点になるだろうが、そうでない場合、現在の荷物に加えて初代iPadに匹敵する重量を新たに持ち歩くとなると、躊躇(ちゅうちょ)する人も多いだろう。
もう1つ、実売4万円台前半〜5万円台前半という価格は、新規設計のハードウェアとしてはそこそこ頑張っているほうで、恐らく原価もかなり高いと推測されるが、安価なタブレットがこれだけ普及している現在、単機能のテキスト入力ツールとしては、割高な感は否めない。前述の2in1はもちろんのこと、スマホやタブレットと組み合わせられる外付けキーボード単体なら、1万円前後で手に入るからだ。
もちろん、安価な反面キータッチがいまいちで、かつキー配列にクセがある製品を買うくらいなら、そうした心配のいらないDM200を買った方がよいという考えもあるだろうが、初代モデルが3万円あればお釣りが来たこと、また従来モデルの「DM100」が現在2万円を切るところまで実売価格が下がっていることを考えると、せめて実売ラインを3万円台くらいには抑えてほしいところだ。
発売後から値下がりも進んでいるが、1つだけ言えるのは、仮にWi-Fi周りの機能を全て外して価格を抑えた下位モデルがあれば、筆者はそちらを選ぶだろうということだ。モデルチェンジのスパンが長い製品でもあることから、ソフトウェアのバージョンアップとともに、そうしたバリエーション展開にも期待したい。
←・前回記事:ポメラ「DM200」徹底レビュー どれくらい快適に打てるのか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR