本製品には写真・動画の保存先として、2種類の「フォルダー」が用意されている。一つは個人のアカウント名がついた「個別のフォルダー」(以下、個別フォルダー)で、スマホからアプリ経由でアップロードした写真は全てここに保存される。この個別フォルダーは、管理しているアカウントからしか見ることができないので、家族など他のユーザーからのぞき見られるなど、プライバシーの心配は無用だ。
もう一つのフォルダーは「共有フォルダー」で、名前からも分かるように本製品を利用する他のアカウント、つまり家族と共有するためのフォルダーだ。このフォルダーに写真を保存するには、いったん個別フォルダーにアップロードした後、手動でコピーを実行する。保存する写真は1枚ずつ選択できるので、家族に見せたい写真だけを共有できるというわけだ。
一つ注意したいのは、アプリ経由ではなく、本体前面のカードスロットもしくは背面のUSBポート経由で取り込むと、個別フォルダーではなく共有フォルダーに保存されることだ。カードスロット経由の取り込みではどのアカウントのユーザーか特定できないので、アップロード先は個別フォルダーではなく共有フォルダーにならざるを得ない。アップロードが完了したら、忘れずに個別フォルダーに移動させるようにしよう。
なお、個別フォルダーの作成可能数は上限5つまでとなっている。仮にスマホやタブレットなどを複数台所有していても、アップロードの際に同じアカウントを使っていれば、この数の制限に引っ掛かることはまずないだろう。
ただし、アカウントを意図的に分けてデバイスごとに異なる個別フォルダーにアップロードしていたり、家族ごとにアカウントを分けて使う場合、また法人などで使う場合は、アカウントが足りなくなることもありそうだ。
さて、ここまで紹介した機能だけであれば、「写真や動画の保存に特化したフラッシュメモリタイプのNAS」という説明で済んでしまうのだが、本製品ならではの特徴となる機能がいくつかある。
まずは写真のオートリサイズ。これは写真のサイズをXGAに自動変換し、オリジナルの写真と入れ替えることで、スマホのストレージ容量を空けるというものだ。「入れ替える」と書いたが、オリジナルの写真は手動で削除しない限りはそのままなので、うっかり上書きなどで失われることはない。
スマホのストレージ空き容量が減ってきたので何らかの手を打たなくてはいけないが、写真そのものは解像度を下げてでもスマホに残しておきたい、という場合に重宝する。
もう一つはクラウド共有だ。本製品はOneDrive、Googleドライブ、Dropboxといったクラウドサービスとの連携機能を備えており、写真データをこれらサービスにアップロードできる。実質的なクラウドバックアップとして使えるほか、クラウドサービス側の機能を使って共有なども行えるので重宝する。
ちなみにこのクラウド共有は、スマホ側を経由せず、本製品単体で動作する。ひとたび本製品にアップロードしてしまえば、後はスマホなしでクラウドへのアップロードを行ってくれるというのは、NASでは当たり前の機能とはいえ、使い勝手によく配慮されていると感じる。
本製品では、背面に接続したUSB HDDにデータをバックアップすることもできる。一般的なバックアップのほかにも、拡張スロットに挿入したメモリカードを大容量の製品に交換する際、いったんUSB HDDにバックアップし、それを書き戻すといった用途でも使用できる。
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