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ソニー初の4K有機ELテレビを発表、平井社長は“HDRワールド”の広がりを強調CES 2017

» 2017年01月06日 10時28分 公開
[綿谷禎子ITmedia]

 米国・ラスベガスで開催される「CES 2017」に先駆けて、ソニーが前日の1月4日17時(現地時間)に、会場となるコンベンション・センターでプレスカンファレンスを実施。平井一夫社長が登壇し、ソニーが推進するHDRワールドについて、最新商品の紹介を交えながら解説した。

 平井一夫社長は冒頭に、近年掲げている「ラスト・ワンインチ」の言葉を引用。クラウドがいかに進化しようとも、人間の感性に訴えるのはコンテンツ。そこがまさに接点となるので、「感動を追求する製品作りを行い、最後の1インチでお客さまとつながっていきたい」と述べた。

ソニー ソニーの平井一夫社長
ソニー 五感に響く製品作りを行う象徴となる言葉「ラスト・ワンインチ」

 新製品の中でも特に注目したいのが、4K有機ELテレビ「BRAVIA OLED A1E Series」。ソニーが培ってきた高画質技術を結集したモデルで、ディスプレイを振動させることで画面から音が出るなど、よりリアルな映像体験ができる。この「アコースティックサーフェス」という技術について、平井氏は「ソニー独自の技術である」ことを強調。ディスプレイのサイドにスピーカースペースが不要になるので、スピーカーレス、スタンドレスとなり、そのデザイン性についても言及した。

ソニー ソニー初の4K有機ELテレビ「BRAVIA OLED A1E Series」
ソニー 本体は薄く、背面もスッキリ

 ソニーは放送業界向けには4K対応モニターの「BVM-X300」や、4K・8倍速スーパースロー映像を実現するスポーツ中継に適したライブカメラシステム「HDC-4800」など、HDR対応商品を提供。4K HDRに対応した「PlayStation 4」は2016年の年末商戦で世界で620万台を売り上げ、累計実売数は5340万台を超えるなど、業界をリードしてきた存在であることをアピール。「私たちは幅広いHDRオプションを提供することを約束する」と、今後、さらにHDRを推進していくことを強調した。

 ソニーは2007年に世界初の有機ELテレビを発売するも、高額だったために一般には普及しなかったが、今回の「A1E Series」で有機ELテレビ市場に再参入する形となった。なお会場で展示されていたサイズは77/65V型。発売時期や価格は未定。

 ソニー独自の薄型バックライト技術「Slim Backlight Drive+」を搭載した4K液晶テレビ「BRAVIA X93E Series」についても発表。「A1E Series」と共にDolby独自のHDR規格「Dolby Vision」を採用する。すでに発売されている「Z9D Series」についても、アップデートで対応する予定とのこと。

ソニー 液晶テレビの主力となる「BRAVIA X93E Series」

 この後は次々と新商品を発表。超短焦点レーザー光源プロジェクター「VPL-VZ1000ES」はスクリーン面からわずか6インチの距離から投写できるため、平井氏は「リビングの壁などに投写して、大画面の4K HDR映像を楽しむことできる」と、その有効性を述べた。コンテンツはAmazonビデオとNetflixから4K HDRストリーミングが提供される予定。なお価格は約2万5000ドル。

ソニー
ソニー 未来のリビング空間を演出する「VPL-VZ1000ES」

 一般向けには4K HDRを再生できるBlu-rayプレーヤー「UBP-X800」を提案。エレガントなデザインで、幅広いフォーマットやサービスをサポートする。ムービーに最適化された新しいホームシアターサウンドバー「HT-ST5000」も用意。これらはDTSやハイレゾ音源の再生にも対応する。「より良いオーディオエクスペリエンスを提供することを約束する」と平井氏。特に「HT-ST5000」はグループ会社のソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが擁する音の専門家の協力を得て、映画再生に適した音質調整がなされていることをアピール。またソニー・ピクチャーズ エンタテインメントではHDR対応のBlu-rayコンテンツが多数登場する。

ソニー Blu-rayプレーヤーの「UBP-X800」
ソニー ホームシアターサウンドバーの「HT-ST5000」

 ソニーは2016年秋以降に据え置き型ヘッドフォンアンプの「TA-ZH1ES」、超高級ヘッドフォンの「MDR-Z1R」、ポータブルオーディオプレーヤーのウォークマン「NW-WM1Z」を発表しているが、それらの商品に続いて、ノイズキャンセリング対応のワイヤレスヘッドフォン3種を参考出展する。「多くの人々が知らないかもしれないが、最初のノイズキャンセリング技術を開発したのはわれわれだ」と平井氏。新しいヘッドフォンと、2つのワイヤレス インイヤー ヘッドフォンを用意する。

ソニー
ソニー 今回、参考出展されるヘッドフォン3種

 ソニーが取り組む「イメージング・プロダクツ&ソリューション」では、光源からレンズ、イメージセンサー、画像処理、IP伝送、ディスプレイまで一連を取り扱うが、CES 2017の展示はコンシューマー向けの商品が中心。約4240万画素のデジタル一眼カメラ『α99II」は、高精度のオートフォーカスが可能で、高速撮影をする時に効果的。目で見ることができない動きでさえ捕らえることができると、その性能を説明した。

 その他、ボディー内5軸手ブレ補正のDSLRのミラーレスカメラ「α6500」、約24コマ/秒の高速連写を実現したコンパクトデジカメ「RX100 V」などを展示する。「これら全ての製品はソニーが品質を約束。ソニーを最初で唯一のカメラブランドにしてもらいたい」と、こだわりを語った。

 最後に空間そのものを生かして映像などの新たな体験を提案する「Life Space UX」では、本や映画、音楽コンテンツなどとの新たな出会いを提案するコンセプトモデルの新4Kプロジェクター「It’s all here」を紹介。単に壁に映像を映し出すだけでなく、興味のある本を選んで、ページをめくって読んでみるなど、新たな体験ができる。

ソニー 心地よく暮らせる理想の住まい環境を創出する「Life Space UX」。LED電球スピーカーやポータブル超短焦点プロジェクターなどが発売されている
ソニー 「It’s all here=全てがここにある」がコンセプト

 「PlayStation 4」の4K HDRに対応したソフトは累計実売本数870万以上を誇る「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」のほか、『グランツーリスモSPORT」「Horizon Zero Dawn」を用意し、会場で体験できるようにする。平井氏は「ソニーは『Play Station VR』で劇的なゲーム経験を提供することができたが、VRに対するわれわれの試みはゲームだけに止まらない」と語った。

 平井氏が就任以来掲げている「ユーザーに感動をもたらし、人々の心を刺激する会社であり続ける」というミッションは、2017年も継続する。「感情の動きにKANDO(感動)は1つの良いエッセンス。コンシューマーエレクトロニクスはこれからも大きなインパクトを与えられる」と締めくくった。

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