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CHORD最強のポータブルDAC「Hugo 2」開発秘話CES 2017(2/3 ページ)

» 2017年01月12日 06時00分 公開
[山本敦ITmedia]

16bit/100万タップの処理精度を持つCDトランスポート「Blu MkII」

 CHORDのコンパクトなChoralシリーズにラインアップされるCDトランスポートのフラグシップ機「Blu」も、最新のFPGAテクノロジーをベースにしたDAコンバージョン機能を乗せて驚くほどの進化を遂げた。イギリスでの販売価格は7995ポンドで、2017年内に発売を予定。

Blu MkIIの特徴を語るワッツ氏

 FPGAにはザイリンクの「XC7A200T」を搭載し、740個のDSPコアでWTAフィルターを動かし、44.1kHzのCD再生の周波数から768kHzへのアップサンプリングを実現する。タップ数は何と100万を超え、16bitの精度が再現できるまでに至ったという。

 ワッツ氏は、「以前からずっと実現したいと語ってきた、オーディオによる原音再生に遂に到達した」と並々ならぬ自信をみせる。「夏ぐらいに今の半分となる50万タップぐらいのWTAフィルターが完成したので、これで商品をリリースしようと誘われましたが、私はもう少し粘ればもっといい音になると確信していたので、CEOのジョンに掛け合いました。そして昨年のクリスマスイブに100万タップのWTAフィルターが完成して、狙い通りの原音再生に辿り着きました」とワッツ氏は少し興奮気味に語ってくれた。ワッツ氏は遂に、“塩の1粒”にまでこだわった究極のレシピを完成させたのだ。

Blu MkIIとDAVE(下)のパーフェクトマッチを図った

 CHORDのブースでは、Blu MkIIにフラグシップDAコンバーターの「DAVE」を組み合わせたデモを行っていた。筆者もその音を体験したが、立体的な音の彫りの深さや、音源が録られた場所の空気感も生々しく伝えてくる。これがCDの音とはとうてい信じられないほどのパフォーマンスだ。

カラバリはシルバーとブラックの2色

 デジタル出力端子はAES/EBUと光、同軸、BNCになる。BNCでDAVEにつなげば最大768kHzのアップサンプリングが使えるようになる。BNCは入力端子も設けているので、CD再生の回路をスルーして単体のアップサンプラーとしても使える。

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