「まず、下部にある水タンク内の水を100℃にまで上昇させ蒸気に変えます。コンプレッサーで気流を生み出し、90℃程度の蒸気を庫内に充満させ、内部にある洋服を湿らせます。さらに洋服の掛かったハンガーを毎分最大で180回ほど揺らすことで、付着したチリやホコリを落とすとともに、シワなどをとります。その後、ヒートポンプによって40℃程度の温度の低い気流を起こし、洋服から汚れた水分を落とします」。汚れた水は下部の汚水タンクに溜まる仕組みだ。
洋服を揺らすのはシワをとるため。原始的な洗濯物の乾かし方から着想したという。「洗濯物をパンパンと叩いてから干すと、シワがのびますよね。あのやり方を応用しました。左右に揺らすことで繊維が細かい部分まで伸びると同時に、繊維糸が立ち、乾燥した際にふわっとした触り心地になります」
開発開始から約5年。2011年に韓国で発売された初代「LG styler」は大ヒットを記録した。翌年の「CES 2012」など海外の展示会にも積極的に出品。米国や中国などでも販売が開始された。
だが、購入したユーザーすべてが満足したわけではない。例えば、大型冷蔵庫並みのサイズでは購入できる家庭が限られてしまう。またユーザーからは「扉にかけたズボンのシワがとれるのはいいが、必要な折り目までなくなってしまう」といった声もあった。
「開発陣はまず、サイズを小さくすることに注力しました。その結果、ハンガーに掛けられるジャケットの枚数は5着から3着に減りましたが、一般的な住宅にも置きやすいサイズ感になりました。また、ズボンプレッサー的なアタッチメントを新たに開発し、必要な折り目はそのままに、シワだけをきれいに取れるように進化しています」
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