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これ大発明! 液状やゲル状の汚れをどんどん吸い取る「スイトル」(2/2 ページ)

» 2017年02月22日 13時55分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]
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水が漏れたりしないの?

 本当に便利なスイトルですが、気になるのはやはり「汚水が掃除機に流れていかないか?」「外に漏れないのか?」ということでしょう。汚水を掃除機が吸うと故障の原因になりますし、外に漏れると二次災害です。

 考案者の川本さんにうかがったところ、やはり汚水が行ってはいけない場所に侵入する“しみ上がり”対策には苦労したそうです。原因になるのは、前述のターボファン。汚水槽の上にあるターボファンを回すためには周囲にあそび、つまり“すき間”がなければなりません。このすき間から汚水のしみ上がりが発生するそうです。

 そこで考え出したのが“エアシール”という技術でした。本体のふたの部分に小さな穴を設け、ここから取り込んだ空気を別のファンで動かし、吸引と逆方向の風を作ります。それが“空気の壁”(エアシール)となって汚水の浸入を防ぐことに成功しました。ちなみの2つめのファンユニットは「逆噴射ターボファンユニット」と呼ばれています。

ファンユニットを分解して見せてくれているのは川本さん

 もう1つ。スイトルが横倒しになったりした場合にも水が掃除機に吸い込まれないよう、付属のパイプには「逆流防止弁」を設けました。球状の弁が掃除機への侵入を防ぎます。このような幾重もの安全対策により、スイトルは誰でも手軽に使える便利アイテムになりました。

掃除機と接続するためのパイプ。この奥に「逆流防止弁」が見えるらしいのですが、よく分かりません
スイトルの外形寸法は、148(幅)×283(高さ)×506(奥行き)mm。重量はホースを含めて約1.6kg。ノズルの下にあるスライドスイッチで水洗浄のオン/オフが可能です

 使える掃除機も幅広いです。国内の家電メーカー製品をはじめ、ダイソン、ミーレ(同梱のアダプターを使用)など、パイプ径が27〜42mmのキャニスター式であれば問題なく接続できます。また吸引力についてもとくに制約はありません。川本さんに聞いたところ、「高価な掃除機は吸込仕事率1000Wといった製品もありますが、スイトルを使うには170Wで十分」とのこと。要するに安い掃除機でも大丈夫ということです。さらにシリウスの亀井隆平社長は、「万が一、スイトルの通常使用で掃除機が破損したときは合わせて保証する準備をしている」と話していました。

左から「アクアサイクロン技術」を開発した川本さん、シリウスの亀井社長、プロダクトデザインを担当したイクシーの小西さん

でも、お高いんでしょう?

 さて、気になるスイトルの価格ですが、税別で1万9800円(直販価格、オープンプライス)。シリウスでは、2月21日から同社サイトで販売を開始しています。またほかの販売ルートについても開拓中で、「まずはテレビショッピングやカタログ通販を中心に販売する」(亀井氏)。まずはブランディング重視で、広く家電量販店などで販売するのはその後になりそうですので、すぐに欲しい方は同社ECサイト「シリウスストア」で購入するのが近道です。

 また今後の製品展開として、2018年以降の発売を目指し、掃除機がいらない“動力内蔵型スイトル”を開発していく方針です。一般家庭はもちろん、仕事で使う方も多いと思われるスイトルですから、さまざまなタイプの登場を期待したいところですね。

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