共に開発・製作したCerevoの岩佐琢磨CEOは、Hintが一般発売までたどり着いたことに「ちょっと泣きそうですね」とコメントした。
その涙は、遅延が一因のようだ。Hintは当初、17年3月にクラウドファンディングの出資者に向けて製品を出荷するはずだったが、二度の遅延を経て7月の出荷に。そのため一般発売も遅れた。
「遅延の原因は中国工場でのトラブルだった」と岩佐さんは振り返る。一度目の遅延はパーツを接着する過程でトラブルがあったこと。二度めの遅延は、使用していた金型が壊れてしまったためという。
グッドスマイルカンパニーの安藝貴範社長は「これまでにない、縦型のラジオというので設計が難しくなった」と製造過程の難しさを語る。「フィギュアでも製造工程を進める中で、戻って設計し直すことがある。それに近い感覚だった」
出荷製品の品質は担保されているのか――そんな記者からの問いに、岩佐CEOは「中国で作ったものをグッドスマイルカンパニーの鳥取工場で検品し、品質は検査している」と説明。「ただ、大企業ほどの品質担保はできていないというのが正直なところ。ご理解いただければ」と話した。
Hintのクラウドファンディングでは、声優モデルも用意されていた。野島健児さん、中村繪里子さん、田所あずささんの3人がそれぞれ声で動作ガイド音を収録したものだ(すでに予約は終了)。
発表会には声優の3人も登壇し、それぞれの声のモデルの電源オンオフやモード切替時の特別ボイスを披露した。
野島モデルは、アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターを思わせる“熱血ボイス”だ。相当の声パターンを試した中でも熱血ボイスに収まったという。「野島さんに気だるげな色気のある声を頼んでみたのですが、すごくやる気のないラジオ受信機になってしまいました。いろいろ考えた末に、モビルスーツみたいにするのが面白いということになりました」(吉田さん)
中村モデルはかわいい系のボイスに。「本人がたくさん番組に出てわちゃわちゃと喋っているので、Hintもわちゃわちゃさせたらファンが混乱するだろうなと」(吉田さん)
田所モデルは、本人の出身地の方言である茨城弁を全面に押し出した。「いろいろ考えたのですが、これって台数が限定されているじゃないですか。購入された方は田所さんのディープなファンのはず。田所さんの茨城弁のキャラは鉄板で面白いので、かわいい系の声とも迷ったのですが、魔が差しました」(吉田さん)
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