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動き出したKDDIの「au HOME」、Googleアシスタント連携でスマートホームが変わる?(3/3 ページ)

» 2017年07月31日 10時30分 公開
[山本敦ITmedia]
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通信キャリアだからこそ実現できるスマートホームのカタチがある

 auがIoTビジネスへ本格参戦したことで、これからたくさんのライバルが後に続いてくるだろう。「au HOMEならでは」と言えるだけの、魅力あるサービスをこれからどのようにアピールしていくのだろうか。

 「まだアイデア段階ですが、1つには『auでんき』との連携を実現したいと考えています。au HOMEのスマートプラグを使えば、au HOMEとauでんきの両方のアプリで電力の消費状況がリアルタイムにモニターできるようになり、毎月の電気料金と比べながらアプリが省エネ提案を示してくれるような機能があれば便利ですよね。ほかにもauが現状ご提供しているさまざまなサービスと連携できると考えています。あとはGoogle Assistantとの連携を早くかたちにして、いま話題のスマートスピーカーでauのモバイル向け音楽配信サービスが手軽に楽しめるようなサービスも取り込める可能性があるのではないでしょうか」(渡辺氏)

家電ごとに電力の使用量がチェックできる「スマートプラグ」や、赤外線信号でエアコンやテレビの電源ON/OFFを操作できる「赤外線リモコン」は今秋の発売を予定している

 au HOMEに追加発表された「セコム駆けつけサービス」(ココセコム for au HOME)も“auらしさ”にこだわったサービスの1つだ。その内容は、ドアの開閉センサーやマルチセンサーを使っているユーザーが「まさかの時」にアプリからセコムを呼んで、利用者に同行するかたちで安全確保に協力を依頼できるというもの。au HOMEの毎月490円(税別)の料金体系の中に含まれているが、セコムへの事前申込みと、サービスを利用した時に都度別料金が発生する。auでは子ども向け携帯電話「mamorino」(マモリーノ)シリーズなど、モバイル端末の頃からセコムと連携してきたノウハウを今回のau HOMEにも生かした格好だ。渡辺氏は、セコムが自社のブランドで展開しているような高度なホームセキュリティサービスには及ばないが、まさかのときの安心を手軽に感じてもらえるよう、今回のセコムとのコラボを追加したと話している。

 au HOMEが走り出したことが、これから国内でのスマートホームやIoTの発展にどんな影響を及ぼすことになるのだろうか。KDDIとして市場をどのようにリードしていく考えがあるのか、渡辺氏の意気込みを聞いた。

 「au HOMEは生まれたてのサービスなので、国内のスマートホームやIoTをリードするにはまだ力不足のところもありますが、1つ私が感じていることは、ついに『スマホの次の時代』が見えてくるであろう期待感です。スマホのタッチ操作はユーザーインタフェースの常識を変えて、高速データ通信サービスの進化が人々の暮らしを豊かにしてきました。これからはスマートデバイスと音声コントロール、AI(人工知能)といった技術が、3〜4年先の生活をさらに大きく変えていく可能性があります。その影響は家庭の中にとどまらず、車のなど色々な生活シーンにも広がっていくはずです。ここでひと足早くau HOMEを踏み出した当社は、新しい体験価値を多くの方々にご提供すべき役目を担っていると感じています」(渡辺氏)

さらに時期は明らかにされていないが、Googleの音声アシスタントであるGoogle Assistantを使って、スマホアプリで話しかけた操作コマンドをau HOMEデバイスに送って操作できるようにもなるという。どんなことができるようになるのか楽しみだ

 今年の年末から来年の初頭にかけて、AIや音声認識技術を搭載するデバイスやサービスがさらに脚光を浴びると言われている。家電機器に話しかけて操作するというインタフェースは内気な日本人の感性に向かないと指摘されることもあるが、自然な会話で違和感なく、そしてレスポンスの遅延なく家電機器を操作できれば、多くの人々の認識が意外に早く変わる可能性もある。何より、au HOMEが目指す「あんしん、便利で楽しい」デバイスやサービスが増えてくれば、スマートホームはあっという間に私たちの暮らしにとって、未来の魅力あふれる理想型になるかもしれない。

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