FAITに対応するデバイスには、ソニーが開発したセンサーモジュールを搭載する「スポーツセンサー」と「アクティビティトラッカー」の2種類がある。それぞれにタブレットなどに対応するモバイルアプリを活用して、日次や月次の単位でユーザーの体力や認知機能を記録。定期的にクラウドサーバに吸い上げた後に、個人のユーザーに適したトレーニングメニューをレコメンデーションする。
トレーニングメニューは筑波大学の山田実准教授が監修を行っており、ユーザーが体力測定などのプログラムを実践した後に、ディープラーニングの解析結果を反映した、ユーザーにとって最適で、無理なく継続できるトレーニングメニューを提案してくれるという仕組みだ。
ディープラーニングの解析アルゴリズムについては、例えば「スポーツクラブで体を鍛える」「介護施設で健康を管理する」といった異なる目的に合わせてチューニングできるようになっている。トレーニングメニューの内容もサービスを導入する企業の業態や顧客に合わせたカスタマイズが可能だ。
筆者もFAITの基本メニューの1つ「健康チェック」を体験してみた。専用デバイスの「スポーツセンサー」を太ももに巻きつけ、タブレットの画面を見ながら全8種類のメニューを順にクリアしていく。その内容はイスに座って脚を動かしたり、立ったり座ったりといった単純な動作を所定の時間で何回できるか、正確にこなせるかなどを体力測定のメニュー6種類と、認知機能を測定するための2つのメニューに分かれている。
イスにすわったまま、かかとを10cm以上地面から持ち上げた姿勢を何秒間キープできるか、リズム良く三角ステップを踏めるかなどの体力測定は、それ自体で筋力アップを目的としたものではないが、6つすべて真面目にこなすとちょっと心地よい疲れがやってくる。記憶力テストはタブレットの画面に表示された絵を覚えて、30秒間でできるだけ正確に思い出しながら答えるというもの。そして最後に、画面に表示される1〜15までの数字が描かれたボタンを順序通り、素早く押していく注意力テストをクリアすると、テストの診断結果が画面に表示される。自分の体力や認知能力が可視化されたわけだ。
今回ソニーと筑波大学は健康チェックのための専用メニューを60種類用意してサービスに組み込んだ。8種目のメニューをこなすと、ユーザーの健康状態を維持・増進するのに最適なトレーニングの内容や、それを実践するための個別アドバイスが画面に表示される。ユーザー個人の得点や“総合判定”も記録されるので、次回のレベルアップを目指しながらトレーニングを続けるモチベーションにもなると思う。
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