OPPO Digitalなどを扱っているエミライでは、米国MrSpeakersブランドの開放型平面駆動ヘッドフォン「AEON FLOW Open-Back」がお目見え。実はこのモデル、4月に発表された密閉型の「AEON FLOW」を開発していた段階からすでに構想があり、開発者のダン・クラーク氏は最初から密閉型と開放型の両方を作るつもりだったのだという。
そら豆っぽい特徴的なフォルムのハウジングが特徴的だが、これは人間の耳のカタチに合わせたもの。ヘッドバンド部のサポートパーツはニッケルとチタンの形状記憶合金で、ハウジング形状と合わせてフィット感の向上や圧迫感の低減を狙っているという。基本的に中身は密閉型と同じで、チューニングで音を変えているとしている。
会場で実際に聞いた音の印象は、解像感を無理に出そうとしたガリガリ調ではない、落ち着いたもの。嫌な押し出し感はなく、聴き疲れしないサウンドだ。密閉型と比べると解像感は密閉型の方が高くカラッとしており、シンバルなどで鋭い音がした。開放型はウェッティーな調子で、バイオリンに木の温かみを感じる。この傾向は同ブランドに一貫するもので、その意味では“正しくMrSpeakersしている”といえるだろう。
またエミライブースでは、新たに取り扱いを始めたフランス、Focalブランドのイヤフォンとヘッドフォンも展示していた。Focalといえば7月に代理店がラックスマンに変更となったことが業界でニュースとなったが、ラックスマンはホームユースのスピーカーやヘッドフォン、エミライではモバイルユースのヘッドフォンやイヤフォンを取り扱うという。これはFocal本社の意向で、本国フランスを含む全世界でこの体制を取っているとエミライの島幸太朗氏は説明していた。
今回展示されていたのは「split one」の後継となる“3万円クラス”のヘッドフォン「listen」と、日本では新展開となる“1万円クラス”の「spark」、“1万円前半クラス”の「spark wireless」“1万円半ばクラス”の「Sphear S」のイヤフォン3機種。音はいずれもFocalの香りを感じる、フラットとリスニングのバランスを取ったもの。中でもlistenは音の粒立ちが良く、緻密でハキハキしていてボーカルが聞き取りやすかった。音色は明るくハイは若干上げ目だが、音が明瞭なのでモニターとしても使いやすそうだ。
「Focalはハイエンドヘッドフォンの『utopia』からエントリーイヤフォンの『spark』まで、すべてに自社生産のドライバーを搭載しています。特にイヤフォンでは空気圧の逃し方が上手く、ドライバーの中央にベント(空気穴)を空けて、その両サイドを聴音材で調節するという凝った作りを採用しています。これはドライバーメーカーのFocalだからこそできる設計」(島氏)
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