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くびれのあるハンドブレンダーに込められたブラウンの新しいデザイン哲学(3/3 ページ)

» 2017年11月29日 14時52分 公開
[滝田勝紀ITmedia]
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フォン氏: 美しさを優先すればその通りかもしれませんが、アクティブブレードテクノロジーは最初から上下の両方が重なっていく構造を、車のダンパーみたいなものをイメージしました。そこにしっかりと機能が備わっていることを表現するために、あえてクビレを残したままデザインしました。ただ、上下するつなぎ目の内側には、洗った時などにも水が残らないようにするなど衛生面にも気を使っています。

――グリップの握りやすさにもこだわりがあると聞きました

フォン氏: グリップには3つの重要なこだわりのポイントがあります。一番大切なことは片手でいかに操作性を良くするかです。1つ目のポイントは楕円(だえん)形の形状にしたこと。続いて2つ目がくびれをつけたこと。これにより誰が握っても、どちらが前でどちらが後ろか、使う人が持っただけで分かるようにしました。3つ目のポイントは、上部を手前に下がる形で角度を付けたこと。これにより手で握った際に親指がしっかりとボタンの上にあるので、電源のオン/オフも簡単です。ハンドブレンダーのグリップ部分をデザインするにあたっては、さまざまな人の物の握り方も研究した結果、この形状に落ち着いています。

重要なデザインポイントをイラストにして説明するフォン氏

――モーターも変わりました

フォン氏: 開発当初、短くて太い形状のモーターか、長くてスリムなモーターか、というポイントで議論がありました。そこで我々はスリムで長い方のモーターを選びました。以前の機種と比較すると、モーターの位置が若干下がっていますが、アクティブブレードテクノロジーを採用するにあたり、目に見えない部分で設計を見直した部分です。

モーターはスリムで細長い

――プロポーションがいいですよね

フォン氏: 今回もたくさん試作モデルを作りましたが、フラッグシップモデルが“短足”だったらカッコ悪いじゃないですか。人間も足が長い方がスリムに見えますし、バランスが良いです。開発時には、どこを分離のラインにするか、大きな議論になりました。下部の刃がある部分が短くてハンドピストン部分が長いとあまりバランスは良くないですよね。ロゴの位置も重要で、これは実は最初に考えます。構造上、モーターが下がったぶん、グリップ部が前モデルよりも新モデルの方が長くなってしまったので、シルバー部分をその分長くして、デザイン的なバランスをとりました。

 この先もブラウンのハンドブレンダーは機能、デザインともに進化していくことだろう。しかし、例え50年先でもブラウンのデザイン哲学に基づいて開発され、それを論理的に説明できるスタイルであることだけは変わらない。

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