“オシアナスブルー”誕生秘話――青き革命児のクロニクル(1/3 ページ)

ギリシャ神話で“海の神”を意味する「オケアノス」にちなんで名付けられた、カシオ計算機のアナログウォッチ「OCEANUS」(オシアナス)。シリーズのアイデンティティにもなっている「ブルー」は、いかにして生まれ、育まれてきたのか。

» 2017年12月01日 10時00分 公開
[山本敦PR/ITmedia]
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 ギリシャ神話で“海の神”を意味する「オケアノス」にちなんで名付けられた、カシオ計算機のアナログウォッチ「OCEANUS」(オシアナス)。シリーズのアイデンティティにもなっている「ブルー」は、いかにして生まれ、育まれてきたのか。オシアナス誕生からプロダクトデザインに携わってきたカシオ計算機の白石俊也氏に、その色彩に対するひたむきなこだわりを聞いた。

オシアナスシリーズのデザインを担当する、カシオ計算機 羽村技術センター 時計事業部 企画統轄部 デザイン企画部 第一デザイン室 リーダー 白石俊也氏

 2004年、世界初のフルメタルクロノグラフ電波ソーラー時計「OCW-500」が生まれた頃、カシオは既に「G-SHOCK」をはじめとするアナログ時計の名シリーズを世に送り出していた。オシアナスの開発は「30〜40代、働き盛りのビジネスパーソンのライフスタイルと上質なツールを追求するマインドにもフィットする新しいプレミアムラインを作りたいという思いからスタートしました」と白石氏が振り返る。

 今回、筆者はインタビューのため東京都羽村市にあるカシオ計算機の羽村技術センターを訪れ、歴代オシアナスシリーズの実機を拝見した。こちらの写真で紹介しているのが、オシアナスのデビュー翌年に発売された“第1世代”のモデル「OCW-600」だ。写真を見て、少なからぬ方々が「おや?」と思うだろう。そう、文字盤内のいくつかのエレメントを除いて、あのオシアナスなのに意外と「青くない」時計なのだ。なぜだろうか。

オシアナスのデビュー翌年に発売された“第1世代”のモデル「OCW-600」

 「実は当初、私たち開発者も『ブルー』を意識していたわけではありませんでした。しかし、2006年に発売した「OCW-M700」で初めてブルーのモデルを発売したところ、大変好評でした。タイドグラフ(潮の満ち引きを知らせるナビゲーション)を搭載したオシアナスもこちらが初めてです。それぞれの要素が“海”のコンセプトを彷彿とさせたことで、ここからオシアナスのブランドイメージを徐々に固めていくことができたのだと思います」(白石氏)

2006年に発売した「OCW-M700」。ブルーのモデルはここから始まった

 OCW-M700が大ヒットを記録したことでオシアナスシリーズは時計ファンからの認知を広げていった。2007年6月にはフラグシップラインの”Manta(マンタ)”「OCW-S1000」がデビューする。透き通るブルーの海を、大きな翼を広げて飛び回るように優雅に泳ぐ「オニイトマキエイ」の名前を冠した。スポーティー&エレガンスのコンセプトを極める、クロノグラフ電波ソーラー搭載の当時“世界最薄”となるプレミアムウォッチだ。

左から「OCW-S1000」「OCW-M700」「OCW-600」を並べた写真

 その後、カシオの開発陣はさらにギアをトップに上げながら「ブルー」のオシアナスを洗練させていく。2009年10月に発売された「OCW-S1400」もシリーズの歴史を語るうえでとても重要なモデルだ。写真をご覧いただくと分かる通り、見た目にもかなり鮮やかなブルーをまとっている。

鮮烈なブルーが印象的な「OCW-S1400」

 「プレミアムクラスのアナログウォッチにブルーというカラーを象徴的に多用した製品は、当時オシアナスの他にありませんでした。前例がないので、開発していた私たちも当時OCW-S1400をデザインしながら、『こんなにブルーを使っていいのだろうか』と迷うところもありましたが、ファンの方々に『オシアナス=ブルー』という期待が高まりつつあったので、あえて挑戦しました」(白石氏)

 カシオの狙い通り、OCW-S1400の鮮烈なブルーの印象が多くのファンの目にとまり、結果として本機も大ヒットを遂げたことでオシアナスのブランドが確固たるポジションを得た。この頃から誰が名付けたのか、「オシアナスブルー」というシリーズを象徴する青色をリスペクトした呼び名がファンの間でひとり歩きするようになった。

 その後もアナログウォッチとしての機能性にも革新を遂げていったオシアナスは、2011年10月に発売した“Manta”シリーズ「OCW-S2000」で初めて竜頭(りゅうず)を搭載。インダイアルを縦に並べるように配置したデザインも好評を博した。

「OCW-S2000」

 本機におけるブルーの“深化”も見逃せない。外と内の両面に無反射コーティングをかけたサファイアガラスにより、透明度99%のクリアな視界を実現した。メイン&インダイアルに配色した鮮やかなブルーと、漆黒の文字盤とのコントラストに見とれてしまう。

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提供:カシオ計算機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2017年12月31日

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