AFが速くて追従性が高くて連写も快適な「α6300」:高くなったけど(1/3 ページ)
ソニーのAPS-Cミラーレス「α6000」の後継機として登場した「α6300」は、これまでも爆速だったAFがさらに高速で便利に進化したカメラ。その分値段も高くなっているが、動くものを撮るならこれほど心強いカメラはない。
超高速AFのミラーレス一眼として2014年春に登場したソニーの「α6000」。そして、新型α6000系として2016年に登場したのが「α6300」だ。2年ぶりの新作である。
一見、α6000の後継機だが、果たしてそうなのか。てなことを考えつつ、あれこれ使ってみるのである。
手にした感じはちょっと重くなったα6000。見た目は背面の操作系が少し進化した他はほとんど同じ。幅も高さも同じ。奥行きはα6300の方がちょっと深いくらいだ。
EVF搭載もチルト式モニタも、それがタッチパネル未対応であることも相変わらずである。
大きく変わったのは中身だ。センサーが新しくなり、α6000のウリだった高速AFよりさらに速く賢くなった上に、4K動画対応など、動画機能が大きく強化された。もともと速かったAFがさらに速く、信頼できるようになったという感じだ。
そのあたりを中心にいくつかレンズをとっかえひっかえしながら試してみた。
α6300とレンズ3本。キットレンズは左の16-50mm F3.5-5.6。中央のタンブラーみたいなのは望遠ズームの55-210mm F4.5-6.3。本体についているのはカールツァイスブランドのVario-Tessar T* 16-70mm F4。本体の性能を考えると16-70mm F4クラスをつけたい感じ
α6300のAF追従能力は確かに上がった!
まずは基本的なところから。α6300は約2400万画素のAPS-Cサイズのセンサーを持つミラーレス一眼である。そのセンサーが新しくなった。銅配線の採用などで集光効率が上がり、受光部の面積が少し広くなって高感度時にノイズが減ったことと、像面位相差AFセンサーが425点に増え、より広い範囲で像面位相差による高速AFが実現されたのだ。
カタログスペック的に言えば、像面のほぼ全域に配置された像面位相差AFセンサーは425点で、さらに「高密度AF追従テクノロジー」で追従性があがり、世界最速0.05秒のAFを実現したというのである。
実際にどのくらい速くて追従性が高いか見てみてほしい。
でもこちらへ向かって走ってくる電車ってのはありがちで、いかにも追従しやすそうな被写体だから、もうちょっと難易度が高いところで、馬。
見事。被写界深度が浅くなる望遠でこれだけ馬の顔を追いかけてくれたのである。
シャッタースピード優先AE(F6.3、1/1000秒)、−6.3EV、ISO640、レンズ:E 55-210mm F4.5-6.3 OSS、焦点距離:315mm相当。ぐっと近寄った状態まで追い続けてくれた
α6000のときより「いったん捕まえた被写体を捉えて放さない率」が上がった感覚だ。被写体追従のコンティニアスAFが実用的になったといっていい。
連写は速さをいくつか選べるが、AF/AE追従で最高秒11コマ(Hi+)に上がった。ただEVFを使って動く被写体を追いながら連写するなら秒8コマがお勧め。連写中のモニター表示の追従性が高くなり、のぞいた状態で被写体を追いながら連写しても違和感があまりない。
もう1つ。ISO感度だが、感度はISO100から51200(ISO51200は拡張感度)をカバーする。α6000の作例(2年前のもの)とISO6400で見比べてみよう。
ノイズ量よりディテールを見るべし。ここまで感度を上げるとノイズが出てくるのはしょうがないとして、α6300の方がディテールがしっかり残っている。これが大事な点だ。
つまるところ、速かったAFがより速くなおかつ正確になり、さらに高感度に強くなったわけである。
高感度に強いと、α6300の良さをより引き出せる。1段分シャッタースピードを上げられるからだ。ISOオートも、感度の上がり方をSLOWからFASTまで選べる。動くものを撮るときはFASTにすると早めに感度が上がってシャッタースピードを高速にできるのがうれしい。
シャッタースピードの上限は1/4000秒。このシリーズはシャッター音が結構大きいが、シャッター音をなくすサイレントモードも搭載されている。
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