黄金色のウォークマン「NW-WM1Z」、日本では30万円前後に
ソニーは9月8日、ハイレゾ対応“ウォークマン”の新しいフラグシップモデル「NW-WM1シリーズ」2機種を国内でも発表した。
ソニーは9月8日、ハイレゾ対応“ウォークマン”の新しいフラグシップモデル「NW-WM1シリーズ」2機種を発表した。10月29日に発売予定で、価格はオープン。市場推定価格は、無酸素銅シャーシに金メッキを施した上位機「NW-WM1Z」が30万円前後、アルミニウム仕上げの「NW-WM1A」が12万円前後(いずれも税別)。
「IFA 2016」で発表した「Signature Series」(シグネチャー・シリーズ)の一角を担うハイレゾ再生機。ウォークマンシリーズのみならず、ポータブルオーディオの“ハイエンド”を目指して開発した。同社によると、従来機「NW-ZX2」購入者を対象に行ったアンケート調査では、「高インピーダンスのヘッドフォンを駆動しきれない」「DSDネイティブ再生や384kHz/32bit音源の再生、バランス接続など最新のスペックに対応できていない」「ポーカル、生楽器などのアコースティックなコンテンツを再生しきれていない」といった指摘があり、こうした不満点を解消し、目指す音作りに近づけるためゼロベースで開発したという。
NW-WM1シリーズでは、まずJEITAが規格化した4.4mm径の4極ジャックにより、バランス接続に対応した。またS-Master HXのLSIも新しくなり、PCMは最大384kHz/32bit、DSDは11.2MHzまでのネイティブ再生が可能になった(バランス接続時のみ、アンバランス接続時は従来通りリニアPCM変換)。
アンプ部も強化し、バランス接続時の出力は各チャンネル250mW、アンバランスでは60mW(16Ω)パワーアップ。高インピーダンスのヘッドフォンも余裕でドライブできる。「バランス接続なら300Ω程度までのヘッドフォンも駆動できる」(同社)
電池パックも新規開発で、大容量電気二重層キャパシターを採用するなど強化。また従来機の「NW-ZX1」では電源ケーブルを太くするというアプローチを採用したが、今回はプラスマイナスを各2本に増やして抵抗値を2分の1にするという手法に切り替えた。ほかにも3年かけて開発したという新しい高分子コンデンサー(FT CAP)をアンプの電源部に搭載するなど音質の強化を図っている。
そのほかのアップデートとしては、「WMポート」からアナログ入出力を省略したことが挙げられる。一方でDSDのデジタル出力が可能になり(従来はPCM変換したもの)クレードルやアダプターを介してDoPで5.6MHz、DSD-RAWで11.2MHzの出力が行えるようになった。
1.8kgの銅ブロックから削り出す
ここまでは2機種共通の仕様だが、上位機となるNW-WM1Zには金色のボディーという大きな特徴がある。これは、低インピーダンス化を目的として純度99.96%以上の無酸素銅を素材として使用し、接触抵抗の低減と酸化防止のために金メッキを施したというものだ。
製造時には1.8kgの無酸素銅ブロックを切削加工するが、「銅は柔らかく、切削時に歯を高速回転させると壊れてしまう。このためアルミの1.5倍の時間をかけて削り出す」という。また、通常は銅に金メッキを施す場合はニッケルを下地として使用するが、ニッケルは磁性体のため使用できない。そこで非磁性体の三元合金メッキを採用したという。
銅シャーシを採用したNW-WM1Zの重量は455g。一方、アルミシャーシのNW-WM1Aは267gだ。そのほかの違いは内蔵メモリの容量。NW-WM1Zは256GB、NW-WM1Aは128GBで、もちろんmicroSDカードによる拡張も可能になっている。
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