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日本発の新しいオーディオブランドがまた1つ――“液体合金金属”シェルのイヤフォンを投入

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 日本発の新しいオーディオブランドが誕生しました。スピーカーユニットの製造やスピーカーの開発設計を手がけてきた北日本音響が初の自社ブランドとなる「Mother Audio」を立ち上げ、この夏に2機種のイヤフォンを投入します。


Mother Audio製イヤフォンの第1弾「ME8」

 山形県酒田市に本拠を置く北日本音響は、1977年から40年にわたってOEM事業を展開してきました。「以前から自社ブランドを持ちたいという気持ちはありました。しかし、求める音質のスピーカーを作ろうとすると、どうしても大きな製品になってしまいます」(北日本音響でMother Audioを担当する谷健太郎氏)。一方で日常的に使用でき、持ち歩けるものが良いという考えもあり、同社は2015年に商品開発プロジェクトチームを発足してイヤフォンの開発を始めました。

 そこで出合ったのが、“液体合金金属”と呼ばれる素材でした。“液体”といっても柔らかいものではありません。通常の金属が結晶構造を持っているのに対し、液体のように非結晶構造を持つアモルファス合金のこと。iPhoneの新製品シーズンになると、まるで恒例行事のように採用が噂される「リキッドメタル」などが有名です。

 北日本音響がジルコニウムをベースに独自ブレンドした液体合金金属は、同じ重量のチタンと比べて約1.5倍の硬度を持ち、「イヤフォンのボディには最高の素材でした」。このボディを採用した「ME8」がMother Audio製イヤフォンの第1弾。金属の中で最も音速が早いベリリウムを蒸着した9.2mm振動板を用い、高硬度で高強度のシェルががっちりと支える構造になっています。


ボディーの表面処理にはPVD(Physical vapor deposition)を用いた窒化チタン蒸着TiC(チタンカーバイド)を採用しています

 再生周波数帯域は5〜2万Hzとハイレゾ対応ではありませんが、それは「可聴域の音質に注力したため」(谷氏)。つややかな中高音再生を実現したと話しています。


MMCXによる着脱式ケーブル。感度は108dB/mW、インピーダンスは16Ω

 ケーブルはMMCX対応の着脱式。銀メッキ銅箔線をツイスト加工し、ケーブル間の近接効果による渦電流を排除します。さらに高い絶縁性を誇るフッ素樹脂ジャケットでコートして伝達ロスを抑えました。


付属のキャリングケース

 もう1つの新製品が「ME5」です。ME8を開発する過程で「ベリリウム振動板の厚みを変えることでバランスのとれた良い音が得られた」ことから、ボディー素材を変えて価格を抑えたモデルをラインアップに加えました。どちらのモデルもスピーカーの技術者が設計から音作りまで行い、「イヤフォンの枠を超えたハイクオリティーな音」を実現したと話しています。


スタンダードモデルの「ME5」

 販売価格は、ME8が11万8800円、ME5は3万4800円(いずれも税別)。7月15日(土)と16日(日)に開催される「ポタフェス2017東京・秋葉原」でお披露目を行い、同日から販売を開始する予定です。

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