パナソニックもスマートスピーカーを発表――Googleアシスタント搭載で音質にもこだわり
パナソニックが「IFA 2017」でGoogle Assistantに対応するスマートスピーカー「SC-GA10」を発表した。発売は今冬で、ヨーロッパでは英、独、仏の各国で発売が予定されている。
世界最大級のエレクトロニクスショー「IFA 2017」が、9月1日にドイツの首都、ベルリンで開幕する。それに先立ち、8月30日と31日の両日はIFAに参加する大手企業がプレスカンファレンスを実施。初日にカンファレンスを開いたパナソニックはGoogle Assistantに対応するスマートスピーカー「SC-GA10」など新製品を発表した。
イベントの壇上にはパナソニックの執行役員でアプライアンス社副社長兼テクニクス事業推進室長の小川理子氏が上り、プレゼンテーションの中で新製品を紹介した。
Google Assistant対応のスマートスピーカー「SC-GA10」
来場したジャーナリストを最も沸かせたのは、同社初のスマートスピーカー「SC-GA10」だった。AIアシスタントにはGoogle Assistantを採用。今年の夏に米Googleが開催した開発者向けセミナーの「Google I/O」では、Google Assistant SDKによる開発パートナーにパナソニックの名前も挙がっていたことが話題となったが、その成果となる商品が早くもベールを脱いだ。SC-GA10の発売は今冬で、ヨーロッパでは英、独、仏の各国で発売が予定されている。価格は未定。
小川氏は、「スマートスピーカーは次世代を担うIoTデバイスとして注目され、音声入力による操作で天気やニュースなどを読み上げてくれる利便性にスポットが当たっているようだが、最もポピュラーな使い方はやはりスピーカーとしていい音で音楽を聞くこと。良質な音楽体験をサポートするために、ユーザーの好みを学習して、気分に合わせた音楽を再生してくれたり、便利な使い方が広がっていく。そんなスマートスピーカーを理想に掲げながらSC-GA10を開発した」と振り返った。
Google Assitantのプラットフォームのほか、音楽配信サービスはSpotify、Google Playミュージック、Deezerをビルトイン。TuneInによるインターネットラジオも聴くことができる。
カンファレンス後、集まった記者に開放されたパナソニックのブースで、本機の開発に携わるPanasonic AVC Networks Singapore社の隄秀行氏に商品開発のポイントを訊ねることができた。
Google Assistantを採用するスピーカーは、AIアシスタントのプラットフォームを開発するグーグルと密接に関わりながら進めてきたという。その特徴について隄氏は「様々な音楽配信サービスとの親和性がとても高いところ」を挙げる。SC-GA10のスピーカー構成は独自開発のディフューザーを搭載する20mmソフトドームツィーター2基とデュアルボイスコイル搭載の8cmウーファー。「Panasonic Music Control」アプリをスマホに入れて、スピーカーをWi-FiにつないでNASに保存した音源をアプリから再生して聞く楽しみ方も検討されているという。また2台のスピーカーをそろえればステレオ再生もできるようだ。
スマホやタブレットをBluetoothで接続して音楽を聞くことも可能だが、コーデックは標準的なSBCまで対応という。「AACのサポートは現在検討中」(隄氏)だという。
スマート家電の操作は、Google Assitantのフレームワークの中でつながるIoT機器やサービスとの連動ができそうだ。パナソニックもスマート家電を開発しているメーカーだが、同社の外部機器との連携については現在は開発中の段階ということで、IFAでは具体的なモデルケースは紹介されていない。
なお今回はGoogle Assitant対応のスピーカーが発表された格好だが、Amazon Alexaへの対応について隄氏に訊ねてみたところ「他のパートナーとの連携も視野に入れて検討している」という答えが返ってきた。今後の展開にも注目したい。
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