Googleアシスタント搭載ヘッドフォンは何ができる?
2018年はヘッドフォンのAIアシスタント対応がトレンドになりそうだが、今までと何が違うのか。今回はボーズの「Googleアシスタント」搭載ヘッドフォン「QC35 II」をiPhoneとAndroidスマホと組み合わせてチェックした。
米ラスベガスで開催された「CES 2018」では、年内の発売を予定している「Googleアシスタント」搭載ヘッドフォンやイヤフォンが多数展示されていた。スマートスピーカーで注目を集めるAIアシスタントがポータブルオーディオに搭載されると何ができるのか。2017年の秋に一足早く発売されたボーズのヘッドフォン「QuietComfort 35 wireless headphones II」(QC35 II)で確認してみよう。
Googleアシスタントは2017年の5月末に日本語対応を実現してから、まずAndroid OS 6/7を搭載するスマートフォンで対応が始まった。現在はiPhoneでもアプリを導入すれば使えるようになるなどプラットフォームを拡大。使い込むほどにユーザーの行動パターンや好みを学習していくディープラーニングの技術も採り入れ、スマホやタブレットからスマートスピーカーへ、そしてヘッドフォン、イヤフォンまで拡大している。
ちなみに従来から発売されているヘッドフォンやイヤフォンの中にも、リモコンのセンターボタンを長押ししてアップルの「Siri」やGoogleアシスタントを呼び出せるものが多く存在する。ボーズのQC35 IIも、Googleアシスタントを起動するための専用ボタンが設けられていることが違いになるものの、ボタンを長押しするというアクションがウェイクワードの代わりになるのは一緒だ。
では、従来の音声アシスタントの呼び出し機能を搭載するヘッドフォンと何が違うのか。
まず気付いたのは、Googleアシスタントボタンを押してからアシスタントが起動するまでのタイムラグが短いこと。従来はボタンを長押しして、アシスタントが起動したことを知らせるチャイムが鳴るまで1〜2秒ぐらいかかっていたが、QC35 IIは即座にコマンド待機状態に切り替わる。
また質問に対する答えを検索している間も待ち受けのメロディが流れるので、ちゃんとコマンドに反応していることが分かる。要するに以前のボイスアシスタントよりも機能の作り込みが進み、ヘッドフォンやイヤフォンとの組み合わせで使いやすくなっているのだ。
AndoridスマホとiPhoneの違い
QC35 IIとのペアはAndoridスマホの場合と、Googleアシスタントアプリを追加したiPhoneの場合とで、できることに若干差が表れた。Googleアシスタントボタンをシングルクリックすると、スマホに届いているノーティフィケーションを読み上げてくれるのはどちらも一緒で、天気やWeb検索も両方のプラットフォームで普通に使える。しかし、例えば「Spotifyで音楽再生」はAndoridスマホの環境でしかできない。iPhoneの場合は「Google Play Musicアプリ」が必要だ。
「○○駅までの道のり」を聞くと、Androidスマホではナビが起動する。iPhoneで試すと「その機能にはまだ対応していない」と答えが返ってきた。
スマート家電との連携は、ヘッドフォンが直接ホームネットワークに接続できるわけではないため、どちらのプラットフォームで試してもまだ使い勝手はよくない。Androidスマホで「Spotifyからマイケル・ジャクソンをリビングのスピーカー(Google Home Mini)で再生して」とお願いしたところ、コマンドは認識されるもののスマートスピーカーは沈黙……。あらかじめスマホのSpotifyアプリから「Spotify Connect」に対応する「Google Home Mini」をキャスト先に選択しておいたところ、ヘッドフォンで入力した音声コマンドに対してスマートスピーカーが反応している“みたいな”環境を擬似的に作ることができた。このあたりの使い勝手については、春以降にソニーやJBL、LGのGoogleアシスタント搭載製品が増えてきたとき、もっと良くなることを期待したい。
ちなみにボーズのQC35 IIは元もと本体の右側イヤーカップに搭載されている「マルチファンクションボタン」を長押しすると音声アシスタントが呼び出せる仕様になっている。Android端末の場合、左のGoogleアシスタントボタンを設定してしまうとマルチファンクションボタンからの呼び出しが効かなくなるが、iPhoneがペアリング相手なら左のボタンでGoogleアシスタント、右のボタンでSiriが呼び出せる。各AIアシスタントを使い分けながら実力を比べるのも面白い。
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