そもそもの始まりは、2ちゃんねるのテクノ掲示板に、建物のムネオハウスと音楽のハウスミュージックを掛けた「ムネオハウス」ネタが書かれたこと。ところが、1週間後に本当に鈴木宗男議員の肉声をサンプリングした「ムネオハウス」の楽曲を制作した人物が現れたのだ。それに続きほかの人々も次々と楽曲の制作を始めて発表し、ムネオハウスはムーブメントといってもいいほどの盛り上がりになったというわけだ。
発表された楽曲はまとめられて「アルバム」が制作され、この記事を書いている時点ですでにベスト盤を含め11枚が完成している。驚異的なスピードだ。また、ジャケットやCDラベルも作成されており、テクノならではのクールなセンスと鈴木宗男議員のビジュアルが融合した作品が数多く生み出されている。自分で音源をCD-Rに焼き、ジャケット類をプリントアウトすれば、自分だけのムネオハウスのアルバムが完成するというわけだ。
もっともこのムーブメント、鈴木宗男議員に賛同するものではまったくないし、かといって誹謗中傷するものでもない。鈴木宗男議員をネタにすることによって、政治状況そのものを笑い飛ばそうとするアイロニーの精神が痛快なのだ。その健全な批評精神をあなたもぜひ自分の目と耳で確かめてみよう。
300人が大熱狂! MUNEO HOUSE Party
―正味のところイベントはどうでしたか、やはり満員? 超満員です! クラブ慣れしてる人もいれば、まったく初めてという人もいた。スーツで来てる人もいれば(笑)、ピンクハウスっぽい格好の女の子もいるし。(2ちゃんねる管理人の)ひろゆき氏とその周辺、報道関係者、アキバ系な人、とにかくカオス。ごった煮でした。
―そういう客層相手にどういうDJプレイで盛り上げました? こちらから盛り上げなくても勝手に盛り上がってくれてました。もうすごい勢いで。「ワショーイ」とか「イイ!」とか2ちゃん用語が大爆発。でも、俺のパートはもうボロボロ。あまりの緊張で手が震えてて、レコードに針が落とせないんだもの。けどね、その時会場から「逝ってよし!」コールがおこったんですよ。コレに救われた。あんなに暖かい「逝ってよし」コールは初めてだ(笑)。
―いい話だ(涙)。ではムネオハウスは自分にとってどんなものでしたか? すごくおもしろいプロジェクトではあったよ。だって全然面識がない人とネットの上だけで打ち合わせして(1回だけ打ち合わせ兼呑み会はしたけど)そしてイベント開催でしょ。しかもスタッフは2ちゃんねるで募った有志。住んでるところも全国各地に散らばってたし(当日は仙台、鹿児島からもスタッフさんが来ていた)。ふだんはなんか「殺伐としてる」2ちゃんねるでこれだけのことができるんだから。正直感動した。
―ムネオハウスの今後の展望はどんなものでしょう? 個人的には一仕事終わったかなと。あとは周りが今後どう盛り上がる(下がる)かということで。これからはムネオだけじゃなく、テクノ板らしいイベントをやりたいねーという感じ。今回のイベントは、2ちゃんねるでもこういうことができるんだ、みたいなことを実証したテストケースなんじゃないかな。