Yahoo! BBでは、リーチDSL利用の目安としてNTT局舎から4km以上の距離であることと、回線における伝送損失が50dB以上とアナウンスしている。該当する地域ではADSLでは実用的な速度が得られない可能性が大きいため、リーチDSLを導入する価値があるということだ。リーチDSLはADSLと規格が違うため、モデムを変更する必要がある。Yahoo! BBのADSLサービスからリーチDSLに変更する場合には、レンタルモデムを返送する必要がある。
リーチDSLは専用のモデムを使用する。モデムのレンタル料金は月額690円だ。スプリッタを内蔵するため、モデムに電話回線と既存の電話機を接続して使用できる。BBフォンも利用可能だが、ターミナルアダプタを使用する
リーチDSLを含むxDSLは、これまで音声通話にしか使用していなかった電話回線をデータ通信に利用する技術だ。音声通話は4kHzまでの周波数帯(バンド幅)しか使用しないため、それより高く広い周波数帯を活用できる。しかし、データは周波数が高いほど距離による劣化が激しくなるため、リーチDSLは20kから85kHzという低い帯域を使用することで長距離化を実現している。ISDNと周波数帯域が重なる部分はあるものの、ピーク部分ではないため干渉しづらくなっている。また、音声通話はアナログデータのため、ほとんど干渉がおきない。
PSD(電力密度) リーチDSLでは、ADSLの上り帯域よりも低い帯域を使用することで長距離化を実現している。上りと下りの周波数帯が同じ「対称型」であることも特徴だ