auの新メールシステム「EZ@メール」は使いやすい?auはEZwebの電子メールを,従来のサーバ蓄積型から「EZ@メール」と呼ぶiモードのようにプッシュ配信も可能な方式に改良し,40xシリーズから採用した。またC406S以降ではCメールにも改良を加え,メール機能の強化を進めている。
ユーザーに4つの電子メールアクセス方法を提供するEZ@メールEZwebの電子メール機能は,30xシリーズまで受信した電子メールはサーバに保存され,ユーザーは常にサーバ上の電子メールを参照する方式だった。Cメールを利用した着信通知も可能であり(無料)リアルタイム性にも問題はない。しかしiモードのように電子メールが端末に自動配信される手軽さを支持するユーザーも多かったようだ。 2000年秋に投入された40xシリーズ端末が採用したのがEZ@メールだ。EZ@メールではメールを端末側に保存できるようになり,電子メールの自動配信も可能になった。iモードとまったく同じと思って構わない。ただしこの使い方はEZ@メールの1つの電子メールアクセス方法でしかない。 EZ@メールでは「Eメール着信通知を受ける・受けない」「Eメールを全受信する・差出人,件名だけを受信する」をそれぞれ選択可能で,計4つの電子メールアクセス方法を選択できる。これらの組合わせはどう異なるのだろうか? A.「Eメール着信通知を受ける・全受信する」これはiモードとまったく同じ。電子メールがメールサーバに到着すると同時に端末に電子メールが配信,保存される。もっとも手軽だが不要なメールもすべて受信することになる。B.「Eメール着信通知を受ける・差出人,件名だけを受信する」電子メールがメールサーバに到着すると差出人,件名だけが配信され,受信リストに追加される。メール本文は受信リストから後で個別に受信,または,まとめて受信して端末に保存できる。C.「Eメール着信通知を受けない・全受信する」電子メールがメールサーバに到着すると端末には電子メールが届いたことだけ通知され,端末にアイコンなどで表示される。端末からはメール受信を明示的に指示するとメールサーバに到着しているすべての電子メールが端末に配信,保存される。D.「Eメール着信通知を受けない・差出人,件名だけを受信する」Cと異なるのは,メール受信を指示しても差出人,件名だけが受信リストに追加されること。メール本文は後で受信リストから個別に受信,または,まとめて受信して端末に保存できる。多くの人はAかBをチョイスするのではないだろうか。EZ@メールをあくまでケータイ同士のコミニュケーション手段や緊急連絡用に利用するならAが一番手軽で便利だろう。普段利用している電子メールアドレスからの転送などにも利用するならBが便利だ。 iモードと同じではいけない理由なぜiモードと同じ使い勝手となるAだけでは駄目なのだろうか? EZ@メールは1通あたりの受信可能なサイズが大きい。iモードの250文字(500バイト)に対し5000文字(10Kバイト)だ。長文メールが受信できるのは通常ならば大きなメリットだ。 しかし普段利用している電子メールアドレスからの転送などにも利用する場合,かなり大きなサイズのメールを受信することもあるだろう。筆者の受信しているニュース配信などでも5000文字を超える物は普通だ。最大受信サイズである5000文字の電子メールをEZ@メールで受信すると,約21円もパケット料金が掛かる。iモードなら250文字の電子メールでも約2.1円だ。 長文メールが受信できるというメリットは,時にデメリットになる。普段利用している電子メールアドレスからの転送などにも利用する場合に,Aの方法だとケータイで読む必要はなかった1件の電子メールで約21円という無駄なパケット料金が発生する危険があるのだ。 もちろんiモードでも同じことはいえるが,最大でも1通約2.1円。iモードが電子メールの最大受信サイズを変更しないのはある種賢明な策ともいえるわけだ。 CとDに関しては筆者はあまり必要性を感じない。あえてあるとすればEZ@メールの電子メールをパソコンで受信する場合だろう(PacketOneでau.netを利用すると可能)。単に電子メールが届いたということさえ分かればいい場合に限定されるはずだ。 EZ@メールは従来のメールサーバ蓄積型と比較すれば確かに便利だ。用途に応じて電子メールアクセス方法も選択できる。Bの方法なら無駄に電子メールの本文を受信しないことも可能だ。パケット料金をあまり気にすることなく,普段利用している電子メールアドレスからの転送などにも利用できる。 直送メール的な使い方も可能になり,確実に便利になったCメールcdmaOne同士で利用できるのがショートメッセージサービスであるCメール(一部のau PDC端末とも可能)。1通3円で最大50文字(100バイト)の文字メッセージが送受信可能。EZweb非対応端末ともメールのやりとりができる。 EZweb対応端末同士では,電話番号で送受信できる点以外にはあまりメリットがなかったCメールだが,C406S以降で機能強化されることで大きなメリットが生まれた。 Cメールはセンター蓄積型だ。端末から送信されたメッセージはまずセンターに蓄積される。送信相手が受信可能な位置(電波の届く範囲)にあれば,メッセージは即座に相手先の端末に届く。そうでない場合はセンターが繰り返しメッセージ送信処理を行う。これまでのCメールは,確実性は高いが,必ずしもリアルタイムでメールが届くわけではないのだ。 強化されたCメールでは,送達確認機能,蓄積選択機能が追加された。Cメールを送信して即座に送信先に届けば「送信完了」が表示され,そうでない場合センターに蓄積するかキャンセルするかを選択できる。キャンセルすれば送信料金は掛からない。
従来通りのセンター蓄積型ながら,直送型メール(DDIポケットのPメールなど)と同様に確実なリアルタイム性も確保されたのだ。急な連絡に使用する場合には電子メールよりずっと便利だ。なお送信先の端末は,C406S以降でなくても構わない。 送達確認機能の延長にあるのがチャット機能(おしゃべりモード)。1送信3円とコスト的には従来のCメールと変わらないが,メッセージを送るたびに送信先の電話番号を指定しなくて済む。こちらはC406S以降同士でしか利用できない。 これ以外にもメール本文とは別に送信者の電話番号が受信者に表示されるようになった。NTTドコモのショートメールも同様に機能変更されているが,これは便利な機能だ。 電子メール機能が当たり前になり影の薄いCメールだが,機能強化されることで電子メールには無いメリットが生まれたといえる。 関連記事 [坪山博貴,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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