feel H" KX-HS100「SDカードとの連携機能に注目」

DDIポケットのfeel H"端末「KX-HS100」と「KX-HF300」はSDカードを利用できる端末だ。しかも,内部データをSDカードに保存できる。

【国内記事】 2001年3月7日更新

 これまで,内蔵音楽プレイヤーのために外部メディアが使える端末はリリースされていたが,内蔵メモリのバックアップなどを目的に外部メディアを装着できる機種はほとんどなかった。

 ところが,松下電器産業/九州松下電器が発売したfeel H"対応モデルである「KX-HS100」(フリップ付きモデルは「KX-HF300」)は,内蔵メモリに格納されたメールの受信データ,受信した画像データ,着信メロディなどをSDカードに保存することができるようになっており,これまでのPHSや携帯電話の使い方とは一線を画す画期的な端末となっている。

独自インタフェースながら,レスポンスも良く使いやすいKH-HS100。液晶も明るく,スピーカーの音もクリアだ。アンテナを伸ばすとキーロックが解除される機能も便利

feel H"の嬉しい悲鳴? それは内蔵データの保管場所

 DDIポケットのfeel H"を一度使ったことがある人なら分かると思うが,PCM音源で12和音&100音色というfeel sound(feel H"のサウンド再生機能)はかなり強力だ。feel soundの機能についてはRZ-J90Nのロードテスト(1月15日の記事参照)で詳しく解説しているので,ここではふれないが,一度聞いたらそのクオリティにびっくりすること請け合いだ。

 クオリティだけではない。着メロの作成も驚くほど簡単だ。端末のキーで1つひとつ打ち込むだけでなく,PC上でDDIポケットが配布している専用ソフト(こちら)を利用すれば,MIDIデータから対応ファイルに変換することもできる。最新曲でも割と簡単に入力でき,着メロマニアでなくとも,どんどんサウンドデータを端末に貯め込みたくなってしまう。

 だが端末のメモリには限りがある。自由に登録できるメロディ数は7〜10曲といったところ。着信音をダウンロードしたり,友達とメールに添付して交換しあったりしているうちに,あっという間に登録エリアは一杯になってしまう。

 また,メールも送受信を繰り返していけば,本体に内蔵されているメールBoxはすぐ一杯になってしまう。こうなると,次のメールを受信するには過去ログを削除しなければいけい。こうした問題は従来のH"でも指摘されていたことだが,今後さらに問題となっていくだろう。

SDカードに端末内のユーザーデータを保存可能

 KX-HS100では本体左側面にSDカードスロットが用意されており,SDカードを利用できる。現時点で64Mバイトまでの容量が用意されているSDカードを使い,こうした問題の解決を図っている。

SDカードは本体左側面から差し込むようになっている。最大容量の64Mバイトにも対応

 SDカードは,SanDiskのMMC(MultiMediaCard)をベースにセキュア機能を加えたメモリカードで,松下電器産業,東芝などが推進している次世代メモリカードだ(なお,32MバイトまでのMMCも利用することができる)。SDカードは現時点では最大で64Mバイトだが,2001年中には256Mバイトの製品が出荷予定で,2002年には1Gバイトの製品も出荷が予定されている。

 KX-HS100ではこのSDカードに,メールのログ,サウンドファイル,画像などを保存できるようになっている。いわば端末の内蔵メモリを拡張するような使い方で,端末内のメールBox,画像Box,メロディBoxというエリアのBox数が拡張される仕組みだ。ただしSDカードをPCに挿しても,データを直接見たりバックアップすることはできない。

 パソコン側でデータのバックアップを行いたい場合には,各Boxとは別の「IMEXPORT」というフォルダにデータを移動しなければならない。保存できるデータはメールのヘッダ情報+本文,メールに添付された画像,電話帳,ブックマークデータ,メロディのみとなっており,DDIポケットが提供しているコンテンツサービスのデータについては保存できない。

 たとえば,松下電器自身が提供しているfeelSoundと歌詞データを組み合わせたカラオケサービスである「ゆめカラ」などのカラオケデータも保存できない。カラオケデータにはダウンロード時の通話料のほかに70円の曲情報料がかかることを考えると,決して安価ではない。3月2日の記事でも述べているように,こうした有料で購入したデータは個人の資産とも考えられる。せっかくセキュア機能を搭載したSDカードであるのだから,著作権の保護機能を付けるなどして保存できるようにして欲しかった。ぜひ,次機種では何らかの改善を希望したい。

PCとやりとりするデータは「IMEXPORT」というフォルダに入れるルールになっている。ちなみに,「\PRIVATE\MEIGROUP」は,SDカード対応家電とのデータをやりとりするフォルダ,「SD_VOICE」は,ICレコーダーとして使ったときの音声データを入れるフォルダになっている。音声データはPCで再生できないのが残念

あまり考えられていないPCとの連携こそ欲しい機能では

 SDカードに保存した住所録データは,PCのほか,松下電器製電子メール端末の「KX-FE841」やパーソナルファックス「KX-PW96CL」などで共有することができる。アダプタがあればPCでも取り込めることから,住所録データをPCで管理したい……と思い浮かぶことと思うが,アドレス帳はIMEXPORTフォルダでは保存できず,仕様上はPCでの編集はできないことになっている。

 だがよく見ると,アドレス帳の中身はSDカードの中の\PRIVATE\MEIGROUP\KME\KME_DATというフォルダにタブ区切りのテキストデータとして保存されているので,保証の範囲外ではあるがPC上のエディタなどで入力することは不可能ではない。

 SDカードを直接操作せずとも,DDIポケットはH"用の編集ソフトを提供してはいる。しかし利用するには別途ケーブルが必要になる。SDカード(さらにいうならPCカードアダプタも)を購入した上,さらにケーブルも必要ではコストパフォーマンスが悪い。できれば,最初からSDカードのIMEXPORTに保存し,そのデータをPCで編集するようなアプリケーションをバンドルしてほしかった。

ICレコーダ機能はかなり便利

 また,KX-HS100にはICレコーダ機能が内蔵されている。64MバイトのSDカードに約4時間も録音でき,その点ではかなり便利だ。録音時に着信した場合にも,着信を拒否して録音を続ける設定なども可能で,使い勝手は決して悪くない。

 しかし,せっかくの録音データをバックアップする機能がないため,例えばPCで聞いたりすることができない。

 最近のICレコーダにはほぼ例外なくPCで再生するアプリケーションがバンドルされており,PC上にデータを保存して再生できるようになっている。これこそデジタルであるICレコーダの強みなのだが,KX-HS100ではそうしたアプリケーションは付属していないため,SDカードの容量が一杯になってしまった場合,過去のデータを消さなければいけない。

 これでは「音声をデジタルとして保存しておける」というICレコーダの魅力が半減だ。ぜひとも,今後PC上で音声ファイルをバックアップ・再生するアプリケーションを配布するか,次期モデルではそうしたアプリケーションをバンドルして欲しい。

 KX-HS100はSDカードというPCにも使えるソリューションを採用しているものの,あくまでも増設可能な外部メモリという位置づけしかされておらず,PCとの連携という点ではもう一歩だ。H"/feel H"のユーザーには64kbpsという高速通信に魅力を感じているPCユーザーが多いとも考えられるので,次期モデルではよりPCとのデータリンクにSDカードを生かした,PCユーザーにとって魅力的な端末にしてほしい。

 しかし,PCとの連携を行わずとも,メールログや着メロなどをバックアップできる点などは非常に魅力的だ。これまで内蔵メモリのフローに困っていたH"ユーザーであれば,検討に値する製品といえるだろう。

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[松村武,ITmedia]

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