Intel,携帯/PDA向けのXScaleチップを発表(1/2)

PDAや携帯電話を“PC化”しようというIntelの最大の武器,「XScaleコア」を積んだチップが登場する。最大400MHzというクロックで動作しながら,消費電力はStrongARMの半分だ。

【国内記事】 2002年2月12日更新

 Intelは2月12日,初めてのモバイル機器向けとなるXScaleベースのプロセッサ2製品を発表した。従来,PDAや携帯電話に搭載されていた「StrongARM」プロセッサの後継となる製品で,高いマルチメディア性能と低消費電力を特徴としている。


「PXA250」(左)は17×17ミリ,256ピン,PBGAパッケージ。「PXA210」(右)は13×13ミリ,225ピン,TPBGAパッケージ

 Intelが狙うのは“PDAのPC化”だ。PCの進化の歴史は,プロセッサの高機能化の歴史でもあった。高速なプロセッサの登場が,ユーザーの買い換えを促進し,プロセッサはさらに進化を続ける──それが従来のPCの進化の流れだった。

 PDAの世界でもPC同様の流れを作り出す,その役割を担うのがXScaleコアである。「PDAでも,PCに似たパフォーマンスのロードマップが始まっている。XScaleコアを持ったプロセッサの登場で,それが加速する」(Intel)


Intelが提示するアプリケーションプロセッサのロードマップ。PCの時と同様に,より高いクロック,より高機能を持ったプロセッサが順次登場する

高性能なPDA,携帯電話に向けて

 発表された2製品は,高性能なPDA向けの「PXA250」と携帯電話向けの「PXA210」。両製品の最も大きな違いは最高動作周波数にある。PXA250は,200MHz/300MHz/400MHzの3タイプ,PXA210は133MHz/200MHzの2タイプが用意される。

 それぞれ0.18μmCMOSプロセスによって製造され,現在エンジニアリングサンプルが出荷中。量産品も「最初のロットがFabに投入されている」(Intel)。搭載製品は,2002年中頃にはPDA向けであるPXA250のほうが先行して登場するもようだ。

 プロセッサのコアには,Intelが英ARMからARMアーキテクチャのライセンスを受けて,改良・製造したXScaleマイクロアーキテクチャが搭載されている。XScaleコアは「低消費電力で高性能」(Intel)であることを目標として開発され,特に高クロック時には従来のコアに比べて大幅な低消費電力を実現している。

 「同じクロックで動作させた場合,StrongARM(SA-1110)と比べて,PXA250は半分,PXA210は3分の1の消費電力だ」(Intel)


125MIPS・25mWあたりでは,ARM7ベースのコアやSA1コア(StrongARM)と拮抗しているが,性能を向上させてもXScaleは消費電力が大きくは増えないのが分かる


Intelが提示したStrongARM,PXA250,PXA210の消費電力の比較。ランモード時(I/O含む)の消費電力は,PXA250/300MHz/1.2Vで411mW,PXA210/200MHz/1.0Vでは256mWと,StrongARM/206MHzが800mW近いのと比較して大幅に下がる

 Intelは,通信部分,プロセッサ部分,メモリ部分を大きくブロックとして分け,開発の柔軟性,速度向上を狙うPCA(Personal Internet Client Architecture)を推進している。その中でXScaleコアは,プロセッサ部分の中心となるキーパーツだ。

 これまでネットワーク機器への採用に止まっていたXScaleコアが,当初の目論見であるモバイル向けのチップに採用されたことで,PCAフレームワークが具体的に動き出した。

 次ページ:PXAチップのアーキテクチャ,XScaleコアの特徴は?

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[斎藤健二,ITmedia]

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