AirH"128Kbpsでどのくらいスピードが出るか,自分で確認する方法(1/3)

128KbpsのAirH"でどのくらいの通信速度が実現できるかは,基本的に端末がいくつの基地局と通信できるかにかかっている。実は,これをユーザーが調べる方法もあるのだ。

【国内記事】 2002年2月25日更新

 ヘビーモバイラー期待のAirH"128Kbpsの試験サービスが2月26日,ついに開始される(1月17日の記事参照)。しかし32Kbpsパケットを4波束ねる特殊な方式の関係上,従来なかったチェックポイントが生まれてきた。

 128KbpsAirH"では,どのくらいの速度が出るかを決定するのは「いくつの基地局と通信できるか」だ。ユーザーも,自分の家から“いくつの基地局が利用できるのか?”が気になることだろう。実は自分のPHSで基地局の配置状態をチェックできることをご存じだろうか?

32Kbpsを束ねて利用するAirH"128Kbps

 AirH"128Kbpsサービスは,従来「つなぎ放題」コースで利用していた32Kbpsパケットを,最大4つ束ねて利用する。32Kbpsパケットのチャンネルは1つの基地局に1つしかないので,束ねられる分だけ基地局を利用することになる(2001年5月の記事参照)。

 AirH"128Kbpsサービスは,一般にいうマルチリンクで実現している。1チャンネル64Kbpsを2チャンネル束ねたISDNの128Kbps接続に近いイメージだ。

速度の目処は64Kbps

 しかしAirH"128KbpsではISDNと事情が異なる部分もある。無線を使う以上,複数チャンネルで常に安定してデータ通信が行われる保証はない。さらに無線部分は電波状態が安定していても微妙にスループットが異なる可能性がある。そのため遅延が発生し,複数のチャンネルを合成する段階で待ち時間が発生する可能性もある。

 AirH"の32Kbpsパケット通信では最速でも27〜28Kbps程度。これを4つ束ねると104〜112Kbpsだが,上記の理由からスループットはもう少し低下する可能性がある。

 しかし重要なのはインターネット接続において1つの目標となるのがアナログモデムの56Kbps,ISDNの64Kbpsをクリアできる点だ。多くのインターネット上のコンテンツはこれらの通信速度をある程度考慮して作られているからだ。

 1基地局当たりのスループットが良好なら,2〜3基地局と通信できればアナログモデムやISDNと同等の通信速度を得られるはずだ。混雑時などはAirH"32Kbpsパケットでは15Kbps程度までスループットが低下することも多いようだが,128Kbpsでは,計算上4つの基地局と通信できればこの状況でも60Kbpsが実現する。

これまでとは常識が変わる? AirH"128Kbpsの落とし穴

 これまでPHSのデータ通信では,電波状態は電界強度だけを見ていればよかった。都市部でも地方部でも1つの基地局からの電波をしっかりつかめれば,安定した高速データ通信が行えた。

 しかし,AirH"128Kbpsではこの常識が変わる。AirH"128Kbpsが高速度を発揮するには,前提として最低でも2つの基地局と通信する必要があるからだ。

 例えば基地局の密度が低い地域では,基地局のすぐそばで電波強度が強い場所より,複数の基地局間の中間にある電波強度としては劣る場所の方が高速なデータ通信ができる可能性がある。つまりAirH"32Kbpsパケット通信が快適だから,AirH"128Kbpsで高速なデータ通信が行えるとは限らない。

次ページ:いくつの基地局と通信できる? 自分でチェックしよう

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[坪山博貴,ITmedia]

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