新プロファイル登場で新市場目指すBluetooth(2/2)
注目の“自動車向け”プロファイル数多くの新プロファイルの中でも,「Bluetoothの牽引役」(酒井氏)として期待されるのが自動車向けのプロファイル。自動車は台数が多く,また母体の価格も高いため,家電ほどBluetoothを搭載することによるコストアップが問題にならないからだ。 同日カンファレンスを行ったデンソーのITS開発部鈴木邦一主任は,Bluetoothの車載応用例として,「携帯に組み込まれた個人情報をもとに,車に乗るとシート位置やミラーなどを自動的に調整する。また駐車場やファーストフードの料金を支払うこともできる」(鈴木氏)といった使い方を挙げた。
現在策定中のプロファイルは,ハンズフリーやSIMカード情報の転移など。車両診断やパーソナライゼーション,車両インタフェースなどの機能は,現在プリプロファイルとして検討・作成中だという。
Bluetoothも家電ネットワーク規格に名乗りもう1つ,期待される新プロファイルがPersonal Area Networking(PAN) Profile。基本的には,小さなイーサネットネットワークを構築するためのものだ。従来でもLAN Access Profieを用いて,イーサネットに接続できたが,PAN Profileはシンプルで高スループットなのが特徴。 主に情報家電などの間のデータ転送にBluetoothを使うためのもので,「家電は台数が多い。広がればインパクトが大きい。マイクロプロセッサが使われている家電にはすべてBluetoothが載ることを期待したい」(酒井氏) LAN Access Profileでは,RFCOMからPPPを使ってTCP/IPネットワークに接続していたが,PAN ProfileではBNEP(Bluetooth Networking Encapsulation Protcol)という独自のプロトコルを採用。「BNEPは(PPPを使わず)直接パケットで上位層とやりとりできるため,高速」(同日カンファレンスを行ったACCESSの基盤開発本部第二基盤開発部の渡辺一弘係長)
Bluetooth普及,「最後の最後」のチャンス毎年毎年期待を裏切ってきたBluetoothだが,「今年こそ,1年後には立ち上がることを期待したい」と酒井氏は言う。低空飛行に見えるBluetoothも,製品数自体は順調に数を増やしており,「新プロファイルは急速に市場を立ち上げる」(酒井氏)と期待しているからだ。
携帯電話への搭載は,到底,順調とはいえない,そんなBluetoothにとって,自動車と家電は,残された数少ない“大市場”。Bluetooth関連企業にとっては,これが「最後の最後」(酒井氏)の望みの綱となりそうだ。
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