AirH"128Kパケットの疑問を解く(後編)間もなくスタートするAirH"128Kサービス。当初の予定とは異なり,4月以降1つの基地局で2波の利用が可能になる。そのメリットや今後の展開をDDIポケットに聞いた。
3月26日に本サービスが開始される,AirH"の128Kbpsサービス。前回に引き続きDDIポケットの近義起技術企画部長に話を聞き,その技術的側面を解説する。
1基地局で2波なのはなぜかDDIポケットではAirH"128Kパケットのための基地局改修,正確にはソフトウェアアップデートを開始しており,4月以降順次ではあるが1つの基地局でAirH"128Kパケットを最大2チャンネル利用可能になる(2月27日の記事参照)。 1基地局2チャンネル利用により,チャンネルごとの通信状況がより均一になる。最も遅い接続に全体が引っ張られるAirH"128Kパケットの仕組み上,これは通信速度の向上に大きく貢献することになる。さらにハンドオーバー性能も改善されるはずだ(3月19日の記事参照)。 しかし利用できるチャンネル数が多い方がいいのならば,なぜ3波や4波でなく2波なのか。 DDIポケット:まず1つの基地局で利用できるのが最大2チャンネルなのは単純な理由で,AirH"のつなぎ放題サービスで利用可能な基地局からIP網までのバックボーンが64Kbpsだからです。 AirH"は,主に制御用として専用線的に利用していた64KbpsのISDN Bチャンネル1つを有効活用して実現しています。ですから,1基地局で無線3チャンネル以上を利用可能にしてもほとんど意味がないのです。技術的には1つの基地局で端末1台当たり最大4チャンネルを利用することも可能なのですが,バックボーンが64Kbpsなのでこれ以上のスループットは得られません。
では,なぜAirH"128Kパケットでも,これまで「1基地局で1チャンネルの利用」だったのだろうか。 DDIポケット:実は基地局のパケット処理能力が2チャンネル分,つまり64Kbpsに追いつかなかったんです。これが基地局のソフトウェアの改善で64Kbpsに対応できるようになりました。 正確にいえば,初期に設置した一部の基地局では処理能力の問題で2チャンネルは利用できませんが,最大4つの基地局と通信できる点は変わりませんから現状より悪くなるということもないはずです。基地局はパケットで何チャンネル利用できるか(能力があるか)を端末に通知していますから,端末側は特に考慮しなくてもすべての基地局と問題なく通信できます。 DDIポケットによれば,AirH"128Kbpsパケットで2チャンネル利用できる基地局は80〜90%に達するという。また地方部のほうが基地局の設置時期が遅い傾向があるため,より高い比率で2チャンネル利用できる基地局が多くなるともいえる。 多くの場所で複数の基地局を利用できることを考慮すれば,ほとんどAirH"128Kbpsユーザーが基地局改修のメリットを享受できるはずだ。
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