ドコモもGPSケータイを準備──ドコモ関西副社長「写メールで遅れ,GPSに遅れ……」しかし,ドコモはこれらの機能を不要と思っているわけではない。他社に遅れること1年,搭載に向けて動いているという。
京都で開催されているケータイ国際フォーラムで28日,NTTドコモ関西の菅原光宏副社長が講演。「ドコモではいつGPSケータイを出すのか。12月です」と,GPS機能付きの携帯電話を準備していることを明らかにした。
第3世代携帯電話FOMAをスタートさせたNTTドコモだが,GPSやカメラといった機能に関しては他社の後塵を拝しているのが現状。菅原氏は「カメラで負け,GPSで負けという状態だ」と表現する。 しかしドコモでは,「GPS機能は必要ない」という認識でもない。菅原氏は,ドコモ関西で調べた「ケータイで利用してみたいサービス」の1位が「ナビゲーション機能」だったと言う。
現在ドコモは全国を約420の地区に分け,自分がどの位置にいるのか知ることのできる簡易位置情報サービス「iエリア」を提供している(7月24日の記事参照)。「iエリアは確かに便利だ。しかし,ピンポイントで位置が分かるわけではない」(菅原氏) 現在のところ,GPS機能を持った携帯電話はKDDIが発売しているのみ(1月28日の記事参照)。「(ドコモのGPS携帯は,auに遅れること1年だ」と菅原氏は歯がゆさを訴える。
動きの遅いドコモの組織菅原氏は,組織が大きくなって機敏な動きが取りにくくなってきたドコモへの思いを,自戒の念も込めて語る。 「写メールで遅れ,GPSに遅れ……。なぜかというとiモードが成功したから。iモードで成功したグループがすべてを否定してしまったという流れがないわけではない」(菅原氏) 確かに,このところのドコモのサービスは後追いばかりだ。J-フォンの写メールに遅れること1年以上。この夏にやっとドコモはカメラ付きの端末を発売する予定だ(3月4日の記事参照)。GPSでも,KDDIに1年以上の先行を許してしまった。 カメラ付き端末にしても,「シャープは,最初にJ-フォンに提案したわけじゃない。ドコモに提案した。1つの意思決定の遅れがここまでのビハインドになってしまった」と菅原氏は悔しさをかみしめる。 さらに,「音楽を配信するサービスを始めたが,DDIポケットさんもうちも失敗した。CDを借りるのと同じ値段でサービスを行っても意味がない」(菅原氏)と,マルチメディアサービスに関しても手厳しい。確かに,当初FOMAに搭載される予定だった「M-stage visual」も,搭載が先送りになるなど,問題を抱えていることをドコモも認めている。
今後の携帯はどこへ向かうのかでは,携帯電話はこれからどこへ向かうのか? 1つの方向性として,「PDAの領域に近づく」と菅原氏は語る。 たしかに既にPDAの機能の多くを携帯は取り込んでいる。「自分の持っている時計のメーカーを尋ねた街頭アンケートで,“ドコモ”と答えた人もいる」(菅原氏)。電話帳も携帯を使うのが普通だし,菅原氏自身,携帯を目覚まし時計として使っているという。
さらに,今後のモデル……として,PDA型のFOMA「FOMA SH2101V」の写真も提示された。
このSH2101VではBluetoothの利用も想定されているようで,「(音声端末には)今は赤外線が標準搭載される状況。いずれはBluetoothが搭載されるだろう」(菅原氏)と,近々,近距離無線方式が携帯電話に取り入れられていくことも示唆した。 ZDNetの調べでは,この春に発売が予定されている「504iシリーズ」では,赤外線通信機能が標準搭載されているもようだ(1月28日の記事参照)。 また,販売の不調が伝えられるFOMAだが,「エリアが広がれば売れる」と,普及はまだまだこれからであることを強調した。菅原氏によると,サービスがスタートしたばかりの関西では5000契約,東海では3000契約しかないのに対して,エリアがある程度広がった中央(関東・甲信越)では10万契約を超えていると菅原氏は言う。
関連記事 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
最新スペック搭載ゲームパソコン
FEED BACK |