Mobile:NEWS 2002年5月22日 11:34 AM 更新

ドコモ、新型FOMAから“一見FOMA”まで

未だ普及に弾みのつく兆しの見えないFOMAだが、ドコモは新型FOMAなどを参考展示してアピールに努める。中には“FOMAそっくり”の新端末も……

 NTTドコモは、東京・ビッグサイトで開催されている「ビジネスシヨウ 2002 TOKYO」の展示ブースにて、PDA型やiモーション対応タイプなど新型のFOMAを参考出展した。また、M-stage visualやテレビ電話に対応した新型PHSも展示された。


 PDA型のFOMA端末は、「テレビ電話対応」と謳われているもの。本体の右に見えるスティックは「通話に使うもの」だと言う。

 実はこの端末、登場したのは今回が初めてではない。細部のデザインは異なるものの、シャープが昨年のCEATECで参考展示したIMT-2000端末とそっくりである(2001年10月の記事参照)。また、先日のドコモ幹部の講演中に語られたPDA型のFOMA「SH2101V」とも酷似している(3月28日の記事参照)。シャープは「FOMA SH2101V」の名前でJATEの機器認定も取っており、シャープ製のPDA型FOMAであると見て間違いないだろう。


 こちらのiモーション対応端末は、NECの「N2002」に酷似したスタンダードタイプの端末。説明員によると「3機種目のiモーション対応端末のイメージ」だという。機能的な違いなどはいっさい明らかにされなかった。

 1つ気になるのは、NECと第3世代携帯電話の開発で提携を行った松下通信工業。実は松下製の「FOMA P2002」という端末が各種通信機器認定を取得している。型番からいって、スタンダードタイプの端末だと思われるが……。


 さて、この端末が問題の新型PHS。「PHSビジュアルフォン」と名付けられ、動画配信サービス「M-stage visual」の視聴やテレビ電話が可能になっているという。参考展示であり、現在開発中とのことだが、展示機には電源が入っており電話番号だけがない状態だった。発売される可能性は高い。

 テレビ電話は同機種同士だけでなく、FOMAとも可能。ヒンジ部には回転できるカメラが内蔵され、静止画だけでなく動画の撮影も可能だ。また「それぞれメール添付も可能」(説明員)となっており、ドコモ端末随一のマルチメディア機能を誇る。

 しかし、この形はどこからどう見ても「FOMA P2101V」である(2001年6月の記事参照)。ボディ形状どころかダイヤルキーの刻印まで酷似している。液晶もかなりの高解像度であり、説明員によるとTFT。背面液晶もFOMA同様搭載している。そして機能は……といえば、FOMAでは不可能な動画メールやM-stage visualへの対応するなど本家を凌ぐ部分さえある。PHSだけに、待ち受け時間は軽くFOMAの10倍程度はいきそうだ。さらに地下でも通話できるなど、FOMAを喰ってしまいそうな雰囲気さえある。

 ただし弱点もあった。説明員によると「iモードが使えない」。……なるほど、確かにPHSではiモードは使えない。しかし504iの倍以上の速度である64Kbpsでiモードサイトを閲覧できるほか、当然電子メールも利用できる。そして通話料金は非常に安い。

 もっとも「テレビ電話と音声通話では、テレビ電話のほうが割高になる方向で調整中」(説明員)ということだ。FOMAではテレビ電話は音声通話の2倍近い料金がかかる。多分に政治的な配慮も働いたようだ。

 このPHS、ボディの形状から見ても松下製端末、しかも噂されていた「Picwalk P712V」ではないかと推定される。“一見FOMA”というボディは、誰が見てもPHSとは思わない。テレビ電話の裾野を広げる意味でも、なかなか面白い端末ではないだろうか。

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[斎藤健二, ITmedia]

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