Mobile:NEWS 2002年6月10日 09:16 PM 更新

2002年、モバイル広告はすべてのキャンペーンに組み込まれる

iモードサービスが開始された2000年に立ち上がったモバイル広告。ターゲットに合わせてきめ細かいアプローチができることから順調な伸びを見せている。ディーツーコミュニケーションズの藤田氏は、2002年には従来型のマス広告との組み合わせが定着すると見ている

 6月6日に都内で開催された「モバイルマーケティングセミナー」に、ディーツーコミュニケーションズの藤田明久代表取締役が登壇、モバイルマーケティングの現状について語った。


ディーツーコミュニケーションズ、藤田明久社長

雑誌の表紙周りに匹敵する効果も

 藤田氏は、モバイル広告の進化について「2000年はモバイル広告元年、2001年は携帯電話を販促に結びつける方向性が出てきたモバイルマーケティング元年」と位置づける。そして「2002年にはモバイル広告がすべてのキャンペーンに何らかの形で組み込まれる」と、モバイル広告と従来型マス広告との組み合わせが当たり前になるとの見方を示した。


ディーツーコミュニケーションズの事業の状況。2000年から2001年にかけてクライアント数、売り上げともに倍以上の伸びを見せている

 ディーツーコミュニケーションズは、iモードサービス開始半年後の2000年7月末にiモード向けにバナー広告の配信を開始、「とくするメニュー」「ピクチャー広告「モバイルメール広告」「メッセージフリー」を核に、モバイルのメディアレップという位置づけで事業を展開している。

 モバイル広告の強みは、従来のマス広告や交通広告だけではフォローしきれなかった部分を補い、強化できる点だと藤田氏はいい、その効果は「雑誌の表2(表紙の裏側)、表4(裏表紙の外側)に匹敵するぐらいに成長した」(藤田氏)


「モバイル広告はさまざまなターゲット層に合わせて手法や時間、コンテンツを変化させられるため、より強いアプローチができる」(藤田氏)


ピクチャー広告およびモバイルメール広告の配信数の累計。「広告配信実績としては世界最大」(藤田氏)


とくするメニューの概況。1クライアントの応募数の週間最高記録は14万7000で、「マス広告では達成できない数字」(藤田氏)

 モバイル広告の最新事例として挙げられたのがサッポロビールのキャンペーン。サイト内に気象情報やビール指数を表示、見た人がビールを飲みたくなるようなアプローチを図っている。日によって変化する情報をリアルタイムで提供し、その情報を外出先で気軽にチェックできるのは、モバイル広告の強み。ビール指数の表示も「シズル感をどこまで出せるか」にこだわったといい、サーバからジョッキに注がれるビールをGIFアニメで表現している。

 エフティ資生堂の「ティセラ」リニューアルのケースでは、商品のキャラクター、松浦亜弥の特大ポスターを首都圏に約100枚掲出、待ち受け画像プレゼントを告知しモバイル広告への誘導を図っている。モバイル広告では、商品情報を始め占いコンテンツやCMソングの着メロを提供、ターゲットとなる学生層の口コミ効果を狙った。その結果、製品は過去最大の売り上げを記録したという。

 販促物としての着メロや待ち受け画面は広告効果が高いようで、テレビCMと連動してサイトへの誘導を行ったネスレ日本のCM着メロキャンペーンでは、1週間で12万のダウンロードを記録している。藤田氏は「着メロはモバイルマーケティングのゴールデンタイム的存在」だといい、CMソングをCDで配布するようなコストや手間をかけることなくプロモーションできる強みを強調した。

 マス広告とモバイル広告は、互いの弱点を補える理想的な組み合わせだと藤田氏はいう。「テレビCMや雑誌広告などは、ユーザーを引きつけるところまでは持っていけるが、その後の行動喚起を常に促すには弱い。そこをモバイル広告が補完することで、従来にない効果的なプロモーションが行える」

 実際、今春に展開された飲料・食品のキャンペーンは、10商品以上がモバイル広告が組み込まれた形で実施されたとし、2002年にはそれが定着すると藤田氏は見ている。

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▼ ディーツーコミュニケーションズ

[後藤祥子, ITmedia]

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