カタログには載っていない「P504i」情報(下)(1/2)「P504i」のソフトウェアは、地味ながら確実に弱点が改良され、最新端末として遜色のないものに仕上がっている。今回は日本語入力環境を中心に、レビューをお届けする
504iシリーズの最後の1機種「P504i」が発売された。前回のアドレス帳や“メール機能”のチェックに引き続き、今回は日本語変換機能を中心に細かなポイントをチェックしていく。
ブラウザフォンの時代に入り、松下通信工業製端末で他社製品に遅れをとっていたのが日本語変換機能。本機の前モデルに相当する「P503iS」ではインライン変換もサポートせず、候補一覧表示すらないという有様だった(2001年6月の記事参照)。 ようやく日本語変換機能の改善に手を付けたのが、本機のソフトウェアベースとなったであろうP211iからだ(1月10日の記事参照)。インライン変換をサポートし、フルスクリーンながら候補一覧表示もサポートした。 また学習機能も、最後に選択した文字だけが次回変換時に先頭に来る最も単純な方式から、先頭が最後に選択、その次はその前に選択した文字、その次はその前の前に……と候補が並ぶ方式に改善されている。 こういった基本部分の改善に加え、P504iでは予測変換機能を採用。同社製端末ではP211iに続き2機種目だ。過去の変換結果やあらかじめ準備された予測変換用の辞書を元に、読みの先頭部分一致で日本語変換を行う機能だ。 例えば予測変換では、「とうきょうと」→「東京都」と一度変換すると、その後は「と」「とう」といった読み先頭から一部分を入力するだけで「東京都」に変換できる。なお予測変換を行う場合には通常の変換キー(上下キー)ではなく、左上段のソフトキーを利用する。 予測変換の一覧中に再び左上段のソフトキーを押すと、通常の漢字変換に移行する。この点はP211iから改善された点だが、予測変換を積極的に利用している──つまり読みの一部分しか入力していない状態ではあまり役には立たないだろう。
予測変換機能自体は便利だが、読みの一部分を入力しての予測変換で目的の文字に変換できなかった場合、クリアキーで読み入力まで戻り、足りない読みを入力してから通常の日本語変換を行うことになる。予測変換に頼りすぎるとむしろキー操作が余計に必要にもなりかねない。使いこなしには注意がいる。 P211iから進化したのは、予測変換用の辞書を最大5つまで利用でき、この辞書のダウンロードが可能なことだ。標準では数字予測辞書が登録されており、ダウンロードは松下提供のiモードサイト、Pスクエアから行える。 標準での数字予測辞書だけでもかなり便利だ。例えば「さ」で予測変換を行うと、「3」「3月」「3時」といった数字の3を含んだ候補が並ぶ。つまりカナ入力中でも数字キーのつもりでキー入力を行い、予測変換を行えばわざわざ文字入力モードを数字に切り換えなくても数字を含んだ単語に変換できる。読みの入力と数字キーの関係をうまく予測変換に利用しているのだ。
日本語変換の基礎となるカナ文字入力では、大文字小文字変換が付加された。小文字の存在するカナ入力後に発話キーを押すと大文字小文字が切り換わる。この機能はアルファベット入力時にも有効だ。もともと文字入力を遡る機能(う→い、C→Bなど)は備えているので、この点ではほぼ不備がなくなったといえるだろう。日本語入力に関してはP50xから大きく進化しており、P50xユーザーで不満を感じていた人にはこの点だけでも買いかもしれない。 もっとも過度な期待は禁物だ。他機種でも日本語入力の改善は急ピッチで進んでおり、本機の場合ようやく水準に追いついたという感じだ。
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