Mobile:NEWS 2002年8月20日 09:52 PM 更新

10万契約は通過点〜ドイツとオランダのiモード契約数

KPN Mobileは、オランダとドイツのiモード契約数が10万に達したと発表した。一見少ないようにも見えるが、日本のiモード立ち上げ時を考えるとそれほど悪い数字でもない

 欧州のiモードライセンシーであるKPN Mobileは、現地時間の8月14日、オランダとドイツにおけるiモード契約数が合わせて10万を超えたと発表した。オランダのiモード契約数は2万3000、ドイツのE-Plusは7万7000となっている。

 ドイツとオランダでiモードサービスが開始されたのは、2002年4月のこと(3月4日の記事参照)。10万契約まで約4カ月かかった計算だ。ちなみに日本では、2カ月後に10万契約を達成している。

 日本の現在の契約数が3406万人と多いことから、10万という数字だけを聞くととても少ないように感じられる。しかしドイツは、「新しいものにわっと飛びつく層が日本に比べて少ない」(ハドソン モバイル事業本部執行役員本部長の香月薫児氏)という土地柄(6月6日の記事参照)。さらに端末の種類も出揃っていない状況で「10万契約に4カ月」というのはそう悪くないという見方もできる。

 今後の海外でのiモード普及を左右するのは、100万契約に至るまでの期間といえそうだ。NTTドコモでiモード戦略を担当する夏野剛氏は自著「iモード・ストラテジー」の中で、普及の1つの目安を“100万”としている。「100万ユーザーは『クリティカル・マス』、つまりそこを超えれば、周囲が使っている様子を見て自分も使いたいというユーザーが増える『ポジティブ・フィードバック(好循環)』サイクルに入る」(同書)というのが、その理由だ。

地域iモード開始時期現在の契約数総人口
オランダ2002年4月2万30001560万人
ドイツ2002年4月7万70008300万人
日本1999年2月3406万40001億2680万人

 日本でiモード契約数が100万に達したのは10万契約達成から4カ月後の1999年8月。以降はユーザー数が順調に伸び、続く4カ月で300万契約、さらに4カ月後には500万契約になった。

 KPN Mobileは10万契約を「マイルストーンを通過した」と表現しており、日本と同じような普及をたどれば「2003年にはiモード契約者が100万人になる」と見込んでいる。

  • 日本のiモード契約の推移

年月1999年4月1999年8月1999年10月1999年12月2000年2月2000年3月2000年8月
契約数10万契約100万契約200万契約300万契約400万契約500万契約1000万契約

ドコモが10万から100万契約に伸びた理由

 欧州のユーザー1人あたりのコンテンツ契約数は2個強で、人気の高いコンテンツは「着信メロディ」「待ち受け画像」「ニュース」「天気」。公式コンテンツの数はオランダが80、ドイツが100。勝手サイトも増えており、オランダとドイツを合わせて7000サイトにのぼる。

 10万契約時のドコモの公式コンテンツは75、勝手サイトは190だったから、コンテンツ数で言えば、ドイツやオランダのほうが10万ユーザー時点の比較で日本を上回っている。

 もっとも、重要なのはここからどうやって100万契約にもっていくかだ。ちなみにドコモでは、日本がわずか4カ月で10万から100万まで大きく伸びた理由について、F501i、D501i、N501i、P501iの4機種がラインアップされるなどiモード端末が出揃ったこと、アドレスのカスタマイズが行えるようになったこと、ショートメールとの接続が可能になったことを挙げている。

 ドイツでは現在、iモード対応端末はNEC製の1機種のみ。秋には対応端末を投入する予定であり、端末の種類が増えることで普及が加速する可能性も見逃せない。



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関連リンク
▼ KPN Mobileプレスリリース

[後藤祥子, ITmedia]

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