Windows XP搭載も検討〜ドコモ、シグマリオン IIIを開発中発売からほぼ1年が経過したドコモのWindows CEデバイス、「シグマリオン II」。現在、さまざまな方向性を模索しながらシグマリオン IIIの開発が進んでいる
ゼロハリバートンデザインで人気を博したNTTドコモのWindows CEマシン「シグマリオンII」(2001年8月21日の記事参照)。発売から約1年、ドコモはさまざまな可能性を探りながら次期シグマリオンを開発中だ。
ドコモMMターミナル部CtoC端末開発第二担当課長の入鹿山剛堂氏 mobidecのセミナーに登場したドコモMMターミナル部CtoC端末開発第二担当課長の入鹿山剛堂氏は、「今年の9月に発売ということはないが」と前置きしながらも、既にいくつかのテストモデルを作成し、マーケティングリサーチも行うなど、最終的な仕様の決定に向けて開発が進んでいると話す。しかし、「また決定的なモデル像は出ていない」(入鹿山氏)といい、ヒットモデルの後継機開発の難しさをのぞかせた。 同氏によれば、新バージョンのポイントとなるのは「新CPU」「新OS」「新機能」「新サービス対応」「新デザイン」の5つ。 現在、検討されているのが「XScale PXA250」「Windows CE.NET 4.1」の搭載、通話機能、ビデオ録画および再生、M-stage対応といったマルチメディアサービス対応など。また、従来のゼロハリバートンモデルで行くか、さらなる小型軽量化を図り、全く異なる機能やデザインのマシンにするのかも難しい選択だと入鹿山氏。
「例えばCPUにCrusoeやMobile Pentiumを搭載し、OSにWindows XPを搭載する可能性を考えた場合、起動の早さ、バッテリーの持ちなどが犠牲になる。サイズはOQOのWindows XP搭載機(4月17日の記事参照)の例もありPDAサイズにできるだろうが、価格の問題も残る。10万円近い価格になって買ってもらえるかどうか」(同氏)。
入鹿山氏は、次期シグマリオンの仕様を決める上で重要なのは「性能や機能の向上に伴う価格の上昇をどこまで抑えられるか」「ユーザーの主な用途の見極め」「形状やスペックを維持しながら定番化を図るか、機能もデザインもまったく新しいものにするのか」だという。 シグマリオン IIを超えるインパクトの「シグマリオン III」登場にはもう少し時間がかかるようだ。
ドコモはPDA一体型FOMA「SH2101V」をリリースしているが、このような製品が出てきた経緯はコミュニケーション媒体の進化と情報媒体の進化が異なる方向に向かったことだという仮説を入鹿山氏は立てている。 コミュニケーション媒体の進化は対面での会話から電話、電子メール、携帯電話のショートメールへとシンプルな方向へ、情報媒体は紙メディアからラジオ、テレビ、デジタルテレビとリッチな方向へというように進化の方向性が異なっている点を指摘。この2つの流れがクロスしている部分でiモードがヒットしたと入鹿山氏。 iモード以降、携帯電話は2つの媒体の役割を1台で担うようになり、おかげで先の流れも1台で背負わざるを得なくなった。端末の小型軽量化が進む一方で、静止画や動画などのリッチなコンテンツを見るための画面の小ささが問題になるなど、矛盾が生じ始めているというのだ。 この矛盾を解消するのが、ハンドセットと本体を分離させた「SH2101V」というわけだ。音声通話やメッセージの確認といったコミュニケーション部分は小型のハンドセットに、画像やムービー、Webの閲覧といったリッチなコンテンツの部分は本体側に任せる仕様で「1台2役」を実現している。SH2101Vは、携帯電話の今後のあり方を模索する中から生まれたといえそうだ。 なお入鹿山氏は、SH2101VとPCとの間でメールやスケジュール、アドレスなどを同期させるソフトを今秋にも提供する予定だと語った。OutlookやSH2101V向けオリジナルPIMソフトとのデータ同期が可能になる。 関連記事FOMAのパケット通信にも対応する「sigmarionII」発表 パワフルになった「sigmarion II」物欲ファーストインプレッション シグマリオンIIにポリッシュガンメタルとポリッシュブルーの新色が登場 関連リンク NTTドコモ [後藤祥子, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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