Mobile:NEWS 2002年8月29日 02:18 AM 更新

携帯電話でベクタベースの動画コンテンツを〜プラズミック

動的なコンテンツでありながら、軽いデータ容量――昨年9月に策定されたXML準拠の画像データフォーマットSVGを使った携帯電話向けコンテンツが日本でも提供され始めた

 携帯電話の機能が向上し、リッチなコンテンツの閲覧環境が整ってきたが、それに伴うデータ容量の増加は携帯電話の保存領域を圧迫し、パケット代にも跳ね返ってくる。

 プラズミックは、コマンドでベクトル画像を描画させ、少ないデータ容量で動的なコンテンツ表現できる「SVG」を使った携帯向けコンテンツソリューションを提案している。

 SVGは2001年9月にW3Cが仕様を策定したXML準拠のWeb向け画像データフォーマット。ベクタデータ作成時にWebto、Phoneto、Mailtoといった携帯電話の機能と連携させるタグを埋め込むことができ、サーバとの連携が容易なことが特徴だ。

 mobidecのセミナーに登場したプラズミックのマネージングディレクター、依田信久氏は、携帯電話のコンテンツは狭い画面の中でいかに効果的に情報を表示するかが重要で、コンテンツプロバイダは制作コストを削減しながらコンテンツの差別化を図れるテクノロジーが必要だと話す。


プラズミックのマネージングディレクター、依田信久氏

 その点SVGは、アニメーションや画面の切り替えで小さな画面内でより多くの情報を配信できる。また、XMLベースのため、HTMLの知識があれば用意に習得でき、ベクタグラフィックソフト「Adobe Illustrator 10」が読み込みと書き出しに対応するなど、「慣れた環境でデータを作成できる」(依田氏)。

 プラズミックは、コンテンツプロバイダがSVGコンテンツの作成から配信までをスムーズに行うためのコンテンツ作成環境とサーバソリューション、携帯電話上でSVGコンテンツを閲覧するためのJavaベースのプレイヤーを提供している。

「ディズニーi」と「ディノスi」が対応

 現状では日本の携帯電話のブラウザにSVGコンテンツを閲覧するエンジンが入っていないため、Javaアプリにエンジンを組み込み、ダウンロードしたアプリを介して閲覧することになる。

 プラズミックはドコモのiアプリ版SVGプレイヤー「Plazmic Media Engine」を既に公開しており、ウォルト・ディズニー・インターナショナル・ジャパンのiモードサイト「Disney-i」や、通信販売サイト「ディノス」のiアプリを提供中。「ほかにも10社以上と話が進んでいる」(プラズミックブース説明員)といい、普及の兆しも見え始めている。


「ディノスi」のインタフェース。Phonetoに対応、アプリから電話を発信できる

 MIDP対応の英語版エンジンも公開しているが、独自の拡張が施されたauやJ-フォン向けのJavaではサウンド再生ができない。対応するエンジンは、今秋にもリリースされる予定だという。

 プラズミックはSVGを浸透させるため、ツール群やプレイヤーソフトを無料で配布、今後はSVGタグの強化、エンジンのマルチデバイス、マルチキャリア対応を図るという。


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[後藤祥子, ITmedia]

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