Mobile:NEWS 2002年9月3日 11:01 PM 更新

人口の多さ以外にも注目すべき点はある〜インデックスの海外戦略

世界にさきがけて携帯電話のマルチメディアサービスが進んでいる日本の企業にとって、海外市場の動向は気になるところ。海外展開に積極的なインデックスは人口や普及率以外の観点からも重要な国はあるという

 海外展開を図るにあたり、携帯電話関連会社にとって中国や北米などの大きな市場は魅力的に映る。既に米国、中国、韓国、台湾の4カ国6社への投資をはじめ、委託配信を含む配信、およびコンテンツ開発を10カ国で行っているインデックスの国際事業部長 青松敬明氏が、今注目している国と戦略拠点として重要だと考えている国について語った。


インデックスの国際事業部長・青松敬明氏。「日本にいるのは1年のうち30日」と、海外展開に向けて忙しい日々を送る

 青松氏によれば、この1年で急速な携帯利用者の伸びが見られるのがタイ、マレーシア、中国。また、注目している市場は、人口の多い「米国、欧州、インドとブラジル」(青松氏)だ。特にインドは人口10億と、中国の12億に次ぐ巨大市場で開発力もあることから無視できない。契約数も「億の大台に乗っている」という普及度合いだそうだ。

 ここまでは予想できる範囲内だが、青松氏はさらに「大きな市場に進出する前に押さえておくべき戦略拠点もある」と話す。

 例として挙げたのは香港と台湾。中国では、香港で流行ったものが流行るということもあり、「たとえ人口600万の香港でも、トレンド伝播のさきがけになり得ることを考えると見逃せない市場」だという。台湾はiモードもGSMもPHSもあるため「ここで実験して得たノウハウを世界に持っていけるという意味で重要」といい、戦略拠点としての役割を担う国の見極めも大事だと話す。

GSM圏内でのアプローチは

 インデックスは早くから携帯ビジネスの海外展開に動いており、世界市場の60%を占めるGSM圏内でのコンテンツサービス提供にかかわっている。「ポケベル文化の時代に戻ったつもりで」(青松氏)GSM圏内のSMSサービスベースのコンテンツを開発、海外での足固めを図っている。

 基本的には、コンテンツ制作のノウハウや開発技術をインデックスが提供し、コンテンツ開発や配信は現地の会社に任せるというスタンスを取っているが、「台湾では、インデックスがコンテンツの中身を提供して台湾インデックス(Taiwan Index Corporation)でローカライズや配信を行うケースと、インデックスが行う配信を台湾インデックスが開発面でサポートするケースもある」など、かかわり方は各国の事情や配信するコンテンツによって異なるようだ。

「現地のコンテンツは現地で」が基本

 インデックスがGSM圏で携帯電話ビジネスを展開するに当たって重要視しているのが「現地のコンテンツは現地で」ということ。文化もインフラも異なる国では、「日本からコンテンツを持っていく」のではなく、インデックスが投資および提携を行った会社が現地のスタッフを中心に一からビジネススタイルを構築するべきという考えだ。

 「GSM圏内ではリッチコンテンツはまだこれから。iモードの海外展開に合わせたビジネスも当然重要視しているが、これは日本のモデルがある程度通用するため、やろうと思えばすぐ対応できる。それよりはまず、ワールドワイドで使われているSMSベースのサービスでGSM圏内の文化に根ざしたコンテンツを提供し、足固めをすることが先」(同氏)。

 また、いずれの国でも人気の高い「着メロ」「待ち受け画像」といったコンテンツが各国の文化に直結するものであることも、「現地に任せる」理由の1つだ。「日本の事情を知っていて、現地で同じやり方をしようとするから難しいと感じることになる。現地の人間がその国の通信インフラや端末、流行などをリサーチしながら開発に当たる分にはそれほど難しいことはない」(青松氏)。

 今はモノクロ端末、SMSベースのサービスが主流のGSM圏内だが、今年の夏から秋にかけて、和音に対応したカラー液晶画面の新端末が出てくるため、リッチなコンテンツのニーズが進むと青松氏は予測する。そのためのコンテンツの準備も既に進んでいるといい、携帯電話会社と端末メーカーの交渉が成立したところからリッチコンテンツの提供が開始される見込みだという。しかし、リッチコンテンツの利用することが、文化として根付くまでには「多少の時間が必要」と青松氏は見ている。



関連記事
▼ 中国への携帯ビジネス参入を阻む厚い壁
人口12億7000万という大きな中国市場への参入を目指すコンテンツプロバイダは多い。しかし、参入を果たすには、いくつかの壁を乗り越えなければならないのが現状だ

▼ インターネットの普及はモバイルから〜中国の携帯電話事情
12億7000万人もの人口を抱える中国は、日本の携帯電話業界にとっても魅力的な大市場であり、参入を目指す企業が多い。その中国では今年後半から2.5世代サービスが本格化、音声通話からデータ通信利用への移行が始まろうとしている

▼ 中国インデックス、中国移動廈門分公司とSMSの課金ポータルゲートウェイを開発

関連リンク
▼ インデックス

[後藤祥子, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!