Mobile:NEWS 2002年10月1日 05:26 PM 更新

三洋のスライド型有機EL携帯、au向けに完成度増す

三洋はKDDI向けにソフトウェアを作り込んだ有機ELディスプレイを展示した。すぐにでも市場投入できる状況だが、トータルな性能を検討中だという

 三洋電機はCEATEC JAPAN 2002のブースで、有機ELディスプレイを使ったスライド型の端末を参考展示した。KDDI向けにメニューを作り込んでおり、動画の撮影や再生も可能。「A5000シリーズ」に相当するものになる。


外観は昨年のCEATECやWorld PC EXPOに出展されたものと同じだが、ソフトウェアなどは製品レベルまで作り込まれている

 担当者によると、現在モニター試験などを行い市場性の確認を行っている状況。「この端末は新しいデバイスを使っている。有機ELの性能も含めて、トータルな性能を検討している」(担当者)。

 やはり課題は有機ELディスプレイにあるようだ。三洋は有機ELディスプレイを既に量産を開始しているが(2001年12月の記事参照)、寿命は2000時間程度といわれている。ディスプレイの表示頻度の高い携帯電話の場合、ここがネックの1つになっているようだ。有機ELの場合、時間が経つにつれ輝度が落ち、色味が変わってくる場合もある。モニター試験によってディスプレイの変化とそれによるユーザーの満足度をチェックするには、長期間のテストが必要だということになる。

 逆に発色は、非常に良好。176×220ピクセル・26万色表示は、これまでのTFT液晶では見られなかった鮮明さで画像を表示していた。

 製品化が遅れに遅れているわけだが、「現在も製品化に向けて進んでいる」と担当者。ブースに立ち寄る人々は皆足を止めて端末に見入っていた。



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▼ 特集:CEATEC JAPAN 2002

[斎藤健二, ITmedia]

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