Mobile:NEWS 2002年10月23日 03:18 AM 更新

最強のPalmデバイス「CLIE NXシリーズ」インプレッション(2/3)


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NXシリーズの強力なウリとなる無線LAN対応

 従来のCLIEもPalmデバイスの中では数多くの通信手段を備えていたが、通信アダプタやBluetooth機器などを別途用意する必要があった。

 PEG-NXシリーズでは「通信用カードスロット」が本体に装備されたことで、周辺機器を買うことなくCF型PHSカードを使えるようになった。対応するカードは製品情報の仕様ページにまとめられている通り、NTTドコモの「P-in m@ster」「P-in Comp@ct」、DDIポケットの「C@rd H"64」「Air H" card」など。いくつかのモデムカードにも対応している。ちなみに通信用カードスロットは、ストレージメディアには未対応だ。

 この通信用カードスロットで注目なのは、筆者の長年の夢でもあった無線LANへの対応。CLIEにはメモリースティック型Bluetoothカードがあり、無線によるインターネット接続をするにはいささか強引な手を使わなければならなかった(5月13日の記事参照)。今回の無線LAN対応はインターネットアクセスを意識したもので、設定やアクセスは簡単だ。

 アクセスポイントに接続するための設定は、ほかの通信手段と同じく「環境設定」アプリの「ネットワーク」項目で行える。特殊な設定をしていなければアクセスポイントのSSIDを入力するだけでいい。あとは必要に応じてPEG-NXシリーズがインターネットに接続/切断してくれるので、通信可能範囲内であれば常時接続の感覚でインターネットを利用できるようになる。

 無線LAN使用時のバッテリー駆動時間は連続使用の場合で2.5時間となっている。筆者の簡単な検証(本来であればバッテリーの計測は完全放電と完全充電を数回繰り返し、バッテリーの状態をリフレッシュさせるべきなのだが、今回は時間の都合より、そうしたことをせずに計測した)では、1.5時間ほどでWebブラウザ「NetFront」が「電力低下により無線LANができない」といった旨のメッセージが表示され、Webブラウズができなくなった(メールチェックはその後もできた)。

 なお、PEG-NXシリーズで使える無線LANカードは、専用の「PEGA-WL100」のみ。必要なドライバがPEGA-WL100にしか付いてこないためだ。しかもPEGA-WL100にはPC/Pocket PCデバイス用のドライバが付いていないので、PEG-NXシリーズ専用としてしか使えない。

 PEGA-WL100はIEEE802.11b準拠の無線LANに対応している。接続できるアクセスポイントについては明記されていないが、メルコの「AirStation(AirCONNECT)、アップルの「AirMacベースステーション」では問題なく利用できた


IEEE802.11bによる無線LANアクセスを可能にする「PEGA-WL100」。装着するとやや出っ張る。写真では見えにくいがカードのSONYロゴの隣にアクセスランプが付いている


最も液晶を広げた状態でパネルを回転させようとするとPEGA-WL100にややこすってしまう。オープンスタイルからターンスタイルへの切り替えは若干液晶を閉じた状態で行おう


PEGA-WL100の設定画面。WEPにも対応している。今回は検証できなかったがAdhocモードにも対応しているようだ

 インターネットへのアクセス環境が整ったことに伴い、Webブラウザも一新された。これまでのCLIEに付属していた「Xiino」に代わって「NetFront for CLIE」が付属。NetFrontを開発するACCESSは、Palm Sourceと技術提携しており(6月27日の記事参照)、ライセンシーがカスタマイズしたWebブラウザを開発することができる。

 まっ先に目に付くのは、画面をフルに使ってWebページを閲覧できる縦長ワイド液晶への対応だ。フレームのページも分割表示でなく1画面で閲覧でき、画面外のエリアを画面上でドラッグして閲覧できる「ドラッグ表示」も備えている。切り替えはNetFront画面の右下にあるボタンをタップして行える。アプリサイズと使用メモリが大きいことがネックだが、便利さを思えば納得できる範囲だろう。


新Webブラウザ「NetFront for CLIE」。縦長ワイド液晶対応、フォントサイズの自動識別対応など、Palmデバイス用ブラウザとしては高機能なアプリ

 また、インターネットの機能ではないが「FlashPlayer」が付いているのも面白い。文字通りFlashムービーを表示させるソフトだ。NetFrontやPCでダウンロードした.swfファイルをメモリースティックの/PALM/Programs/MMFlash/にコピーすることで再生できる。

 現在PCで使われているFlashはバージョン6.0が最新だが、PEG-NXシリーズに付属するFlashPlayerで再生できるのはバージョン5.0のものまでで、容量にも制限がある。筆者が試したところでは、600Kバイト程度のFlashムービーは実行できたが、1Mバイト超になると動かないものが多かった。また、Flashムービーでは.MP3や.AIFといった音データが使われることが多いが、それらには未対応のようで、CLIEのFlashPlayerでは、ADPCMによる音データでないと再生ができなかった。


発表会でも大きくは触れられなかったFlash Player。画面はBABARAGEOの「ゼルダ」というFlashムービー

 メールソフトの「CLIE Mail」も縦長ワイド液晶に対応。従来同様にCLIEで撮影した画像データのほか、PEG-NXシリーズから対応している音声録音したデータも添付して送れる。


フル画面対応になった「CLIE Mail」

[濱田宏貴, ITmedia]

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