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2002年10月25日 09:14 PM 更新
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あの人のPDAを見たい!
CLIEで話題の書籍を編集する編集者、佐藤由紀子氏のPDAライフ(2/2)
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原書データと翻訳データをNR70Vに入れて通勤
一番使うのは「WordTo Go」です。「シンプリー・パーム」を作るときに、まず原書データを内蔵メモリに入れて読みました。原書では400ページぐらあるデータが、わずか829Kバイトの容量で索引まで入ってしまう。すごいと思いました。
翻訳が上がってくると、それを順次NR70Vに入れて読んで──気になったところに印をつけたり、コメントを付けたりしています。
なぜDOCじゃないかというと、変換するのが面倒なのと、データに書き込みをしたいからなんです。WordTo Goの前はSmartDOC(現在のQuichWord)を使っていましたが、書き込み後の圧縮ですごく待たされるのが嫌だったんです。WordTo Goならば待たされないし、シンクロが簡単。いろいろ書き込んだデータをそのままPCに持っていけるの便利です。
WordToGoの画面。写っているのは「シンプリー・パーム」の原書データ
- Palmを使い込む中で、不満な点などは出てきましたか
200LXで使っていた「VZエディタ」のように、画面を分割できるエディタがあるといいですね。片方に原文、もう片方に翻訳した文章が表示できれば編集作業をしやすいので。
あとは、CLIEのフォントの「ン」「ソ」が似てるので、なんとなく「2ちゃんねる」を読んでるような気分になることが……。
企画を考えるときは、メモ帳をつかいますね。自分が1年間に担当する書籍の予定もメモ帳に入っていて、終わるとメモの先頭に「済」マークを付けて下に下ろしていく。NR70Vのメモ帳で一覧表示すると、10冊分出るのでちょうどいい具合に自分の予定が分かります。
bookというカテゴリには、これから担当する書籍の名前が並ぶ
通勤の時に、原稿を読みながらAudioPlayerで音楽を聞いてます。最初はiPodを買おうと思ったのですが、2つもデバイスを持ち歩きたくなかったのでCLIEでまかなおうと。そもそもCLIEで編集作業をするのも、重いPCを持ち歩かないですむからなんです。
AudioPlayerに曲を順番通りに入れられないのがつらい部分。曲転送機能を使ってPCから転送していますが、ドラッグ&ドロップすると曲順がばらばらに入ってしまう。プレイヤーの機能がもう少し向上するとうれしいです。
ここで、佐藤さん愛用の赤い革製ケースに入ったCLIEを見せていただいた。
原書データを読む時のスタイル。皮ケースを折って手に持つと安定感が増すという
ケースのフタ部分にはメモリースティックと名刺が
いつもこういうスタイルで通勤中に原稿を読んで手直ししている
持ち歩く時はケースで本体を保護。ストラップは、かばんからひっぱり出す時に重宝してるそうだ
たまたまインタビューの際に筆者が持っていたARM対応機「PEG-NX70V」にも興味津々の佐藤氏。今使っているケースにNX70Vがぴったり収まるのを確認するなど心が揺らいでいるようだ。
スケジュールはアイコンを使って管理
「Action Names」を使っています。このソフトで気に入っているところは3点あって、まずハイレゾ対応であること。次にアイコンを作れること。企画が通った本のアイコンを作って関連スケジュールに貼ります。
書籍制作はスパンが長いので月間表示で見ることが多く、そのときアイコン表示すると本ごと(同時に複数動かすので)の流れがつかみやすいのです。最後は日表示モードでToDoを表示できること。ToDoボタンがあくのでDocument to Goを割り当ててます。
アドレスは使っていますがあまりきちんと整理していません。メールなどで住所をいただいた場合はペーストしますが、紙の名刺はまめに入力しないのでまちまち。ジェフ・ホーキンス氏にビームしてもらった名刺は宝物です。
ほぼ買う予定のPEG-NX70V。今のケースも使えるので。あとは「PSION revo」と「Treo90」。キーボード愛好家としては、やはり気になります。
キーボード付きで、クレードルに載せなくてもシンクロや充電ができて、1時間のテレビ番組を高解像度で見られるくらい本体メモリに余裕があるPDA。
「シンプリー・パーム」に、カシオ計算機が「製品のバッテリー寿命は、前回いつ交換したか覚えていないくらいでなければならない」という思想を持っていたというくだりがありますが、これには共感を覚えます。
ライナスの毛布
佐藤氏は、本を読むのも作るのも大好きな方だ。好きだからこそ、通勤時間まで本作りの作業にのめり込む。その良きパートナーとなっているのが、「CLIE NR70V」なのだ。
筆者と一緒に書籍を作っていた頃はまだPalm初心者だった佐藤氏。わずか2年で何台ものデバイスを買い替えていたのは驚きだ。自分のニーズに合ったPDA探しの過程だったのだろう。
PalmデバイスもPalm OS 5の時代に突入し、マルチメディア機能の充実したデバイスのリリースが予測される。そういう時代に、佐藤氏がどんなデバイスを選ぶのかが楽しみだ。
さて、次回のユーザーはどんなふうにPDAと付き合っているのだろう。お楽しみに。
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[田中裕子, ITmedia]
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