J-フォン、3Gは当初「様子見」?12月に3Gサービス開始を控えたJ-フォン。しかし先行するFOMAが加入者獲得に伸び悩んでいる状況を参考に、開始当初は大々的な事業展開を控えるようだ
J-フォンは11月12日、2002年度中間期の決算を発表した。会場では、Darryl E. Green社長が今後の事業戦略を説明。3G関連事業は、慎重に展開する方針だと話した。 発表によると、J-フォン単体での売上高は前年同期比で4.6%増の、7118億円に。端末機調達コストの削減、設備投資抑制などの要因も加わって、経常利益は前年同期比236.8%増の1280億円を計上した。
同社は現在、12月の3Gサービス開始(4月24日の記事参照)に向けて、準備に取り組んでいる最中だ。3G基地局を急ピッチで設置する、「ビッグバンプロジェクト」を進行中という。 「2Gの基地局は、1基地局あたり6回線を収容可能で、230万円のコストがかかる。各回線の速度は、9.6Kbpsだ。しかし、3Gの基地局では48回線を収容可能で、80万円程度。回線も64Kbpsと高速で、いずれ128Kbpsまで拡張可能だ」(Green氏)。これにより、今後コスト構造を大幅に改善できるという。 もっとも、3Gサービスの開始によって売上高が飛躍的に向上するかというと、「(収支)全体に対して数字の与えるインパクトは、そう大きくないだろう」と同氏。 J-フォンは、開始当初は3Gサービスを、あまり大々的に費用をかけて展開しない考えだ。実際“3Gならでは”のサービスも、今のところ「3GPPのグローバル性を生かしたもの」を挙げるにとどめている。 「2Gと同等のエリアカバレージ、バッテリーの持ちがなければ、普及は難しい」(同氏)。同社は2003年9月までに、現行のPDC方式のサービスと同水準のサービスエリアを達成することを予定しており(5月28日の記事参照)。本格展開は、これ以降になるのではとした。
ほかの携帯キャリアが提供する3Gサービスを見ると、NTTドコモの「FOMA」が予想を下回る加入者しか獲得できていない一方(11月7日の記事参照)、KDDIの「1x」は好調だ。後発としては、先行する事業者の動向は気になるところだろう。 Green氏は「KDDIを見ていて大変勉強になるのは、消費者に対して“1x、1x”と騒いでいないところ」とコメント。「端末の見かけもスマートで、バッテリーの持ちもPDCと変わらない。上手くアピールできている」と、競合相手のサービスを認めた。 ただし「ハッキリさせないといけないのは」、消費者に本当に1xの良さを分かってもらった上で、購入してもらっているかどうかだ、とも。 「(KDDIは)端末を安く出して、買ってもらっているのではないか? J-フォンは、端末を安売りするという誘惑には負けない」と話す声は、この日一番高いトーンだった。
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