Mobile:NEWS 2002年11月13日 11:01 PM 更新

「携帯の電波、学習能力に悪影響ない」〜総務省

電波は生物の脳に何らかの影響を与えるのか? 総務省はこのほど、興味深い実験の結果をまとめ、ホームページ上で公表した

 総務省は11月12日、生体電磁波環境研究推進委員会の研究結果をまとめ、ホームページ上で発表した。それによると、「電波は生体の課題学習能力に影響を及ぼさない」ことを表す結果が出たという。

 同委員会は、1997年10月から電波の生体安全性評価に関する研究、検討を行ってきた。今回の発表は、1999年度からラットを用いた迷路学習実験を行ってきた結果をとりまとめたもの。電波ばく露(電磁界にさらすこと)を行ったラットと、行わなかったラットとの間で、迷路内のえさ記憶実験を実施したところ、成績にあまり差がなかった。

実験の概要

 実験は、ラットを下図のようなT字路内に入れて、えさの場所を記憶させるというもの。4日間経過後に、えさの位置を左右反対の場所に置き換えて、1部のラットに電波をばく露した上で、えさ探しを再開する。


 このとき、ばく露する電波は携帯電話の電波を想定して、1.5GHz帯 PDC方式とした。出力電力は、人体の安全を考慮して設けられた指針である「電波防護指針」の値を大幅に上回るものの、熱作用(電波ばく露によって生体が加熱され深部体温が上昇する)が生じない程度とした。

 反対の位置にえさを置き換えた直後、ラットはえさのない方に行くが、次第に新たなえさの場所を学習し、記憶するようになる。初めの4日間、およびえさの場所変え後で、ラットが正しくえさの場所にたどり着いた「正解数」の推移を見ると、ばく露を受けたラットと受けなかったラットの間で“有意差”(推測統計学上、偶然では起こりえないとされる差)が認められなかった。

 ここから、実験者は「携帯電話から発せられる電波レベルを大幅に上回る電波のばく露によっても、ラットの課題学習能力への影響は見られない」と結論付けている。



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関連リンク
▼ 総務省のホームページ

[杉浦正武, ITmedia]

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