Mobile:NEWS 2002年11月15日 08:13 PM 更新

今後は音声とメールにフォーカス〜ツーカー、「TK22」を語る

厚さ15ミリ、7色のカラーバリエーションの「TK22」は、通話やメールにフォーカスした製品だ。ツーカーはこの端末で、同社が今後フォーカスする「音声とメールがあれば十分」というユーザー層へのアプローチを図る

 「高機能化は、もうお腹いっぱい。自分にとって不必要な機能が付いていないシンプルな端末が欲しい」──ツーカーは今後、こうしたニーズにフォーカスした端末開発を積極的に行っていく方針だ。7色のカラーバリエーションを揃え、厚さ15ミリのスタイリッシュな京セラ製端末「TK22」で、シンプルな携帯電話の需要を喚起する。


7色のラインアップが揃う「TK22」

機能の進化を求めるツーカーユーザーは2割

 「端末のカメラを重視するのは全体の3割−4割」と語るのは、グループマーケティング統括部の商品企画グループ課長代理の宇佐美祥氏。ツーカーユーザー約1000人を対象とした調査結果だという。「携帯電話を買い替える場合に機能の進化を求めると答えたユーザーは約2割。8割は、今の機能で十分だと思っている」。

 一方でツーカーは、事業者として3Gへの移行を行わないことが決まっており、そうした中で市場でのポジショニングを明確にする必要があった。あえてスペック競争に参加せず、シンプルな機能の使いやすい携帯電話を提供していくことで、ほかの通信事業者との差別化を図ろうという考えだ。「ユーザーのニーズと事業者の方針がかみ合ったところで生まれたのが『TK22』だ」(宇佐美氏)。

 ツーカーの調査によれば、カメラ機能を重視するのは「10代では約半数、20代になると3割、30代以降は1−2割と推移する」という。30代をメインターゲットとする「TK22」は、デザインやカラーバリエーション、薄型軽量化といった、多機能な端末では差別化が難しい部分をフォーカスして設計された。


2インチの6万5536色TFT液晶搭載。文字の大きさは2段階切り替え可能。最大表示文字数は10文字×10行の100文字

「TK22」のこだわり

 デザインについては、2001年秋から社内にデザインチームを設置し、「これまで端末メーカー任せだった」端末デザインに事業者側も積極的にコミットするようになった。10月に発売された東芝製端末「TT22」は、2002年のグッドデザイン賞を受賞するなど、その成果が現れてきていると宇佐美氏は話す。

 「TK22」ではボディの質感にこだわり、外装にアルミ素材、内側にマグネシウムダイキャストを採用。「強度と質感を向上させるため、素材にはこだわった」(宇佐美氏)。

 15ミリという薄さの実現は、「カメラやJavaを搭載しなかったことも大きい」(同)というが、端末内側のスピーカーと着信音用のスピーカーに、1枚で両面使えるマルチスピーカーを採用するなどパーツ面も工夫されている。また、同じ京セラ製の端末「TK12」で既に、折りたたみ時の厚さ約19ミリを達成していたことに触れ、実装技術の進化も大きく貢献しているという。


通話時に使うスピーカーの裏に着信音用のスピーカーがある。多くの端末では分かれている2つのスピーカー部分を1つでまかなっている

機能強化もメールと通話にフォーカス

 機能面では、よく使うメニューを登録する「マイメニュー」に、アドレス帳へのショートカット機能が追加された。マイメニューに頻繁に電話をかける相手を登録しておくことで、アドレス帳を呼び出す煩雑な操作をせずに電話をかけられる。マイメニューから行えるのは通話のみで、メール送信への対応は「今後の課題」だという。

 迷惑電話に対応する機能も搭載。あらかじめ着信コールの回数や時間を条件として設定しておくことで、条件に当てはまる迷惑電話がかかってきたときに、着信音やバイブレーションを無効にでき、着信履歴に残さないなどの対策をとれる。「アドレス帳に登録されている電話番号や公衆電話、非通知の電話は対象にならないので、迷惑電話と想定されるものだけをブロックできる」(宇佐美氏)。端末側の迷惑メール対策は、来年をめどに進める予定」(同)。

 ほかにも10件までのメールアドレスを登録できるメール自動振り分け、電話の相手ごとに光り分け設定できる7色のイルミネーションなどの機能が搭載されている。


イルミネーションは、レッド、オレンジ、ピンク、グリーン、シーグリーン、ブルー、ホワイトの7色。不在時の電話やメールの着信はブルーの点滅で通知される

カメラ付き端末をリリースしないわけではないが

 宇佐美氏は「カメラ付き携帯電話をリリースしないわけではない」としながらも、「メインはシンプルなライン」と話す。「市場の動向も見ながらバランスをとっていく。できれば「TK22」が市場に受け入れられて、『携帯電話は音声とメールがあれば十分』という世論が広がることを期待している」。

 また携帯電話の100万画素時代の到来を前に、社内機密漏洩防止策としてカメラ付き携帯電話の持ち込みができない会社も出始めていることに触れ、法人営業にも注力していく方針だという。




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関連リンク
▼ ツーカー
▼ 京セラ

[後藤祥子, ITmedia]

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