Mobile&Movie 第40回
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作品名 | 電話で抱きしめて(Hanging up) |
監督 | ダイアン・キートン |
制作年・製作国 | 1999年アメリカ作品 |
三人姉妹の次女イヴは、イベント企画会社に勤めるワーキングマザー。夫ジョーと息子ジェシーとロスに住んでいます。姉のジョージアは、女性誌の編集長、妹のマディはメロドラマの女優、姉妹は離れて暮らしていますが、互いの近況は電話でいつも報告し合っているので、知らないことはありません。
ある日、姉妹のパパが入院することになり、イヴはそれを知らせますが、ジョージアには「雑誌の5周年記念号作成で時間が取れない」、マディには「休暇中で見舞いに行けない」と言われてしまいます。仕事を持つ身で時間がないのは一緒のはず。それでもイブは愛するパパのため、できるだけのことをしようと思うのです。
ジョージアとマディがパパに会いに来ない本当の理由は、パパが離婚して以来アルコールに溺れ、口を開けば皮肉ばかりになってしまったせいでした。そんなパパの憎まれ口をあしらいながら、イヴは看病を続けていました。入院したあとも、パパは自分のパンツも間違えるほどなのに、イヴの電話番号だけは忘れずにいて、イヴの携帯に、ひっきりなしに電話をかけてくるのです。秘書からは仕事の確認の電話、マディからは犬の世話を頼まれ……。
いくら面倒見のよいイヴでもガマンの限界、イライラのピークで車に乗り込み、携帯電話で話している最中に医師オマーのベンツに車をぶつけてしまいます。
さしせまった仕事、パパの入院、さらに交通事故まで起こしてしまい、パニック状態のイヴ。ジョージアからは、入院費を払うために「パパに小切手帳へサインさせておいて」と指示されます。イヴは言われたとおり、神妙に頼みますが
「小切手にサインなどしない!」
とパパは頑なに拒みます。どうにも収拾のつかない事態に、イヴはとうとう泣き出してしまいます。そんなイヴを慰めてくれたのは、ちょうど修理代の件で病院に来ていたオマーの母親でした。イヴの話を静かに聞き、そっとその肩を抱きしめます。イヴが求めていたのは、電話のベルじゃなく、このぬくもり。
「オマー、……留守電だわ」
おもむろに携帯電話を取り出し、電話をかけたオマーの母親。
「母さんよ。イヴは今大変だから修理代はもらわないわ。手術で稼いで新車を買いなさい」
「あの事故は私の過失なのに」
イヴは、伝言の内容に驚きます。
「過失なんていいの。あなたは温かい人よ」
「私はどうすればいいの?」
1人で問題を抱え込むイヴは、穏やかなこの母親に救いを求めます。
「たまには回線を切って、休憩したら?」
電話に追い立てられて続けたイヴは、さっそく携帯電話の電源を切り、家の電話回線もすべて抜いて、やっと久しぶりの静寂を味わったのでした。そして、パパのこと、家族のこと、本当に愛しているものを見つめ直す時間ができたのです。
電話線だけでつながっていた家族の絆よりも、触れ合って感じる腕の暖かさがイヴには大切でした。電話ごしのどんな優しい言葉より、一瞬のハグで癒されることがあるのです。
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