Mobile:NEWS 2002年12月25日 09:22 PM 更新

世界標準“GSM”とはいったい何か?(1/2)

各社3Gサービスの提供が始まる中で、日本固有の規格である「PDC」から、世界を舞台にした通信方式に移行が始まっている。しかし現時点で世界標準と言えば、それは「GSM」だ。日本ではあまり馴染みのないGSM。その思想とメリットは何なのだろうか

 J-フォンの3Gサービス「Vodafone Global Standard」がスタートした(12月20日の記事参照)。端末も電話番号もそのままで世界中で利用できる国際ローミングが最大の特徴だ。とはいえ、日本以外で利用する際には、2GサービスであるGSM(Global System for Mobile Communications、用語)方式のネットワークを利用して通話・通信することになる。

 日本の2GサービスはPDC方式(用語)が採用されていることはご存知のとおりだが、J-フォンのローミング先となるアジア、中東、欧州、アフリカ、米国など日本以外の地域で広く利用されているGSM方式とは、いったいどんなサービスなのだろう。

GSM規格のヒストリー

 1970年代後半より、欧州では、日本をはじめ米国、中国、旧ソ連に対抗できる力を持とうということで欧州各国を1つの擬似大国とする、「欧州共同体」(EC)の検討が開始された。この欧州共同体では、経済のみならず、通貨や通信の統ーも検討が重ねられてきた。

 通信の統ーについては、CEPT(欧州郵政・電気通信主管庁会議)、のちのETSI(欧州通信規格協会)が組織され、欧州統ー規格を策定することになった。1980年代のヨーロッパの移動体通信では、北欧の「NMT900」、フランスの「NMT450/900」「RC2000」、ドイツの「B」「C-netz」、イギリスの「ETACS」など、互換性のない複数のシステムが、それぞれ運用されていた。第1世代と呼ばれるアナログ方式の頃の話だ。

 国境を越えてもシームレスに利用できる通信システムを策定すべく、ETSIは、欧州通信キャリア、大学およびメーカーから選任されたメンバーによってGSM分科会(Group Special Mobile)を創設、約10年かけて通信規格を検討し「GSM Recommendation」を策定した。GSM分科会に参加していた通信キャリアおよびメーカーは、持てるパテントおよび技術を相互提供し、お互いに融通しあうことで、欧州統ー規格の移動体通信システムの青写真を描くことができたともいえよう。

 その後GSMは、その利便性が評価され欧州のみにとどまらず、アジア、中東、アフリカ、ひいては米国にまで広がっていった。現在のGSMの略称も、当初の「Group Special Mobile」から「Global System for Mobile Communications」に変遷し、現在に至っては世界192カ国、400以上の通信事業者によって運用されている。採用していない代表的な国は日本と韓国である(日本はPDCとcdmaOne、韓国はcdmaOneのみ)。

▼GSM方式(およびW-CDMA方式)採用事業者ー覧

使用する周波数帯が地域によって異なる「GSM」

 広く世界中に広まったGSM方式だが、使用する周波数帯域は地域によって異なっている。

 まずGSM発祥の地である欧州では、当初900MHz帯でサービスの提供が始まった。その後周波数帯域の不足を補うため1.8GHz帯でのサービスも追加されている。同様に、欧州〜アジア、オセアニアなどの大半の地域では900MHzおよび1.8GHzで展開している。国によっては、400MHz、450MHz、800MHzなどの周波数を利用しているところもある。

 ー方、北米では、1.9GHz帯が使われている。GSM方式に対応した携帯電話端末の大半は、900MHzおよび1.8GHzをサポートしたデュアルバンド端末が主流となっており、デュアルバンド端末を所有していれば、欧州〜アジア、オセアニアの広い地域で携帯電話サービスを利用できる。さらに900M/1.8GHzのほかに1.9GHzもサポートしたトライバンド端末も市販されている(11月14日の記事参照)。これならば、北米も含めた、ほぼ世界中で携帯電話サービスを利用可能だ。

 ちなみに、J-フォンの3Gサービス用に用意されたGSM方式対応端末は、900M/1.8GHzに対応している。

GSM方式のキーポイント「SIMカード」とは

[木暮祐一, ITmedia]

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