Mobile:NEWS 2003年1月29日 01:26 PM 更新

KDDI、BREWを導入〜ローエンド端末にも

KDDIがBREW端末「A5304T」を発表した。BREWによって、アプリケーションの世界流通、企業向けアプリケーションの開拓、コンシューマ向けの快適なアプリケーション環境を狙う。Javaとは異なり、今後ローエンド機にもBREWを搭載していく予定

 KDDIは1月29日、携帯電話向けアプリケーションプラットフォーム「BREW」を搭載した「A5304T」を2月下旬から発売すると発表した(1月29日の記事参照)。BREW搭載端末の第1号機となる。

 今後、年間700万台程度のBREW対応端末を出荷していく予定で、特に従来Javaが搭載されていなかったローエンドの普及機にも載せていく。「ベースバンドが1チップのものは基本的にBREW対応。2チップのものはJavaを搭載したい」(KDDIのau事業本部au事業企画本部プロダクト統括部長の牧俊夫氏)。

 これまで、携帯のアプリケーション環境といえばJavaが中心だったが、「Javaは他社でも高級機にしか入っていない」(牧氏)のに対し、全体の5割を占めるローエンド端末(実用機)でも対応させる方針だ。逆に、「SH-Mobile」などツインCPU構成を取っているハイエンド機についてはJavaを積んでいく。今回のA5304TにはJavaは搭載されていない。

 A5304Tは動画対応ながら価格も抑えられ、2万円以下の販売価格になるもようだ。


A5304Tの位置づけ。日立やカシオの端末ほど機能性重視でもなく、中央に位置する。「オールラウンドプレイヤーだ」(コンテンツビジネス部長の高橋誠氏)

韓国KTF、中国聯合通信などCDMA陣営と結束を固める

 KDDIはBREWを使い、(1)アプリケーションの世界流通 (2)企業向けアプリケーション (3)コンシューマアプリケーション を想定している。

 発表会では、既にBREWサービスが始まっている韓国KTFや中国の中国連合通信を招き、Qualcommと4社で「BREW Operator Working Group」を発足させることも明らかにした。各キャリアのBREW独自仕様を確認すると共にキャリア間の仕様共通化を図り、アプリケーションを相互流通させるのが狙い。

 「チャットや通信ゲームを楽しむことも、近いうちに可能になる」とKDDIの小野寺正社長。

 KFTは約1000万の契約者を抱える、韓国第2位の通信キャリアだ。2001年11月から「Magic n Multipack」という名称でBREWサービスを開始し、既に250万人の加入者を獲得した。20機種のBREW端末が用意され約500のアプリケーションを提供しているという。

 データARPUの比率で見ると、Multipack加入者はほかの3倍データARPUが高く、特に1x EV-DOのMultipackユーザーは月間14.54ドル──データARPUは37%に達するという。

 ビデオオンデマンド、特にミュージックビデオのアプリケーションに最も人気があり、次に画像や着メロをダウンロードする「Theme park」、ネットワークカードゲームの「Gamio Gostop」が人気だという。KTF副社長のHan Hoon氏は「世界で初めてBREWサービスを開始し、成功したオペレータとして、BREW Global Publisherの役割を果たす」と話した。

 6800万人の契約者を持つ中国聯合通信(チャイナユニコム)は、約30%のシェアを持つ中国第2位の通信キャリア(1月8日の記事参照)。2002年度からサービスを開始したCDMAサービスも既にユーザー数810万人に達し、2003年第1四半期にはCDMA2000 1xにアップグレードする予定だ。それに合わせて、BREWサービスを含む付加サービス「U-MAX」ブランドを導入する。「現時点では約20のアプリケーション・コンテンツ開発メーカーを集め、20以上のBREWアプリケーションを開発した」(中国聯合通信の尚冰副総裁)。

 ドコモが海外の通信キャリアに資本参加し、J-フォンが英Vodafoneとの結びつきを強める中、KDDIは世界のCDMA陣営と結束を強めるという国際戦略を採る。「ノウハウや技術をオペレータ間で互いにやり取りすることで国際展開したい。金銭による技術ライセンスや直接投資ではなく、協調を図る」(KDDIの小野寺氏)。


発表会にBREW Operator Working Groupに参加する、米Qualcommのワイヤレス&インターネットグループプレジデントのPaul E.Jacobs氏、中国聯合通信(チャイナユニコム)の尚冰副総裁、KTF副社長のHan Hoon氏も招かれた(写真、左から順。中央はKDDIの小野寺正社長)。日本IBMからはソフトウェア開発研究所長の内永ゆか子氏が出席した(写真、右)

法人市場開拓の切り札にBREW

 また企業向けのサービスとしては、日本IBMとBREW向けミドルウェア「BREW Business Profile」を共同開発していることを発表した。BREWアプリケーションから企業の基幹システムへのアクセスを容易にするもので、今春にはサービスを開始する予定だ。

 KDDIのソリューション事業本部長の伊藤泰彦氏によると、au携帯電話の法人契約が占める割合は5-10%。ただし「法人は一般よりARPUが高い」(伊藤氏)ため、法人需要の開拓は重要な課題となる。

 KDDIの小野寺社長は、「法人市場の規模は、アプリケーションやコンテンツをどう提供できるかにかかっている。市場開拓のためにもBREWを先行導入した」と話し、BREWへの期待を示した。


BREW Business Profileの位置づけ

1チップの実用機でも高速〜BREWのメリット

 BREWは米Qualcommが開発したプラットフォームで、ネイティブアプリケーションに近い柔軟性と速度が特徴となる。KDDIによる検証が必須で、Javaのように自由に作成・ダウンロードは行えないが、端末内部のメモリや機能へのアクセスが可能になっている。ユーザーはKDDIが運営するサーバからBREWアプリケーションをダウンロードして追加できる。

 KDDIのコンテンツビジネス部長である高橋誠氏は、BREWのメリットの1つとして「アプリケーションが数秒で立ち上がる。また1チップの実用機でも高速度を実現できるのがBREWのすごさ」と話す。CDMA2000 1x端末はQualcommのベースバンドチップを用いており、それに搭載されたARM7コアでアプリケーションが動作している。最近ではアプリケーションのさらなる高速化を狙い、アプリケーションプロセッサを追加したツインCPU構成の端末も登場しているが、部材コストの上昇がネック。BREWならばベースバンドチップのみで快適にアプリケーションを動作させられる。

 また、BREWではTCP/IPが利用可能で、キャリアのゲートウェイサーバを介すことなく外部と通信が行える。HTTP/HTTPS通信しか行えないJavaと異なり、自由なプロトコルが利用できるため、プッシュ型のアプリケーションや動画のストリーミング再生なども可能となる。

 A5304Tには3種類のBREWアプリケーションがプリインストールされるほか、当初20種類程度のアプリケーションがダウンロードできるようになる。


BREWの特徴を生かしたコミュニケーション&メール、そしてau端末独自の機能であるGPSを活用する地図ソフトの3つのBREWアプリケーションがプリインストールされる



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関連リンク
▼ KDDI
▼ KDDI BREWニュースリリース
▼ KDDI BREW Operator Working Groupニュースリリース

[斎藤健二, ITmedia]

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