Mobile:NEWS 2003年2月19日 00:18 AM 更新

聴覚障害者のニーズを理解した対応を〜auの手話サポート

auショップが首都圏11店舗でトライアルを開始した手話サポート。聴覚障害者のニーズを把握したスタッフが対応にあたるなど、「単なる通訳」で終わらないサービスを目指す

 auショップが首都圏11店舗で聴覚障害者向けの手話サポートを開始した(2月3日の記事参照)。筆談では伝えきれなかった端末購入時のユーザーの希望や、端末機能の説明などを、ショップに設置されたテレビ電話を使い、リアルタイムな手話でサポートするものだ。

 試験運用の段階から手話サポートを行ってきたauショップ大手町には、これまで40人ほどの聴覚障害者ユーザーが来店。筆談では煩わしいと感じていたユーザーにも「相談しやすい店」として認知され始めているという。


auショップ大手町店の一角に設置された手話サポートコーナー

 auショップが目指すのは、「単なる通訳ではない」手話サポート。手話を勉強中のショップスタッフがユーザーを出迎え、テレビ電話によるサポートは、7年前から聴覚障害者の活動を支えている「プラスヴォイス」のスタッフが担当する。


楽しんで手話を学んでいると、ショップのスタッフ。「毎朝、プラスヴォイスの人とテレビ電話の接続テストをしているのですが、その時に手話を教わっています。来店した方の手話が読みとれるようになってきたのがうれしいです」

 聴覚障害者のユーザーはまず、PCの画面上に現れる手話による動画付きのメニューに従って、契約や機種選びを行う。メニューにあるコンテンツだけでは伝えきれない場合に、テレビ電話につないでリアルタイムの手話サポートを呼び出す仕組みだ。


来店の目的などは、手話の動画付きコンテンツで把握し、ショップスタッフに伝えられる

 テレビ電話で対応するスタッフは、auの商品知識に詳しく、手話での説明を行えるプラスヴォイスのスタッフが常時2名待機。来店者との会話をショップスタッフにも把握してもらうため、説明は手話と発話で行われる。


手話サービスの様子。プラスヴォイス自体が、聴覚障害者に広く認知されており、それが相談の際の安心感につながっているそうだ。使われているテレビ電話ソフトはKDDIの「Mee Two」

 「単なる通訳ではない」のは、プラスヴォイスのスタッフが、聴覚障害者にとって重要な端末の機能を把握している点にある。音以外の着信通知にどのような方法があるのか、どうやって設定するのかなどを提案できるのが、利用者の安心感につながるという。

 この手話サポートは、「端末購入時だけでなく、使い方が分からなくなったときにも使ってほしい」とau関東支社営業部の中山将吾主任は話す。

 テレビ電話でのコミュニケーションは「初めのうちは動きがカクカクしていたが、最近では滑らかな動画で問題なくコミュニケーションできる」と、ショップに訪れた聴覚に障害のある女性ユーザー。すっかりテレビ電話のコミュニケーションが気に入って、たびたびショップを訪れるという常連だ。

 「筆談だと、伝わらないことは『まぁ、いいや』と思ってあきらめていました。料金プランや端末選びも、細かいところまで相談するのは面倒だった。今は、端末に詳しい人がいる安心感もあって、気軽に相談できます」。

auが手話サポートに乗り出す理由

 auが手話サポートを始めた理由は、聴覚障害者にKDDIのサービスの人気が高いためだ。

 「メールが相手に届いたのかどうかが分かるのが、私たちにはとても重要。耳が聞こえるなら、電話でリアルタイムに確認できますが、それができない私たちは、出先でメールが相手に届いたかどうかがリアルタイムで分かることが大事。出先で誰かに迎えに来てもらわなければならない場合、相手がつかまらなかったら、次の人──というように連絡しなければならない。そういうニーズがあるんです」(女性ユーザー)。

 聴覚障害者が携帯電話を使って行うコミュニケーションの基本はメール。しかし、普通に使われている携帯メールは遅延が起こる可能性があったり、相手に確実に届いたのか分からないなどの問題があった。

 そんな中、聴覚障害者のユーザーに人気が高いのが、同じくKDDIグループのDDIポケットの「Pメール」サービスだと中山氏。メールサーバを介さずリアルタイムにメッセージのやりとりができるからだ。同じように、au携帯の「Cメール」も、メッセージが高速に届くほか、相手に届いたかどうかが分かるので、最近利用者が増えているという。

聴覚障害者にとって、携帯電話は必需品

 携帯電話のメールがなかった頃は、出先での連絡手段が絶たれてしまうため「待ち合わせに急な変更があっても連絡できず、2−3時間待ってしまうこともあった」と来店していた女性ユーザーは昔を振り返る。そうしたトラブルを解消してくれる携帯電話のメールサービスは、聴覚障害者にとっての必需品だ。

 今後期待するのは携帯電話のテレビ電話機能だという。「手話は片手でもできるので、持ちながら手話でリアルタイムに会話ができたら……と思います。料金が安くなればいいな」。

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関連リンク
▼ 「Mee Two」
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[後藤祥子, ITmedia]

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