Mobile:NEWS 2003年3月7日 07:23 PM 更新

インタラクション2003
Behind Touch――携帯電話のための背面入力インタフェース

携帯電話の革新的な入力方法として、研究が進められているのが「背面入力」だ。「インタラクション2003」でも福岡工大の平岡助教授らのグループが「Bihind Touch」を発表、試作を展示していた

 どのようにしたら携帯電話で楽に入力できるのか、ということは、PC用のキーボード以上に、真剣な検討が進んでいる。PCのキーボードはほぼQWERTY型で決着がついてしまっており、新しい提案は、キータッチか素材、という程度。これに対し、携帯電話では、だいぶテンキー方式に固まってきたとはいえ、これ以外に決定的に快適な方法が見つかるかもしれない、とさまざまな模索がまだまだ続いているからだ。

 とくに最近は、携帯電話が多機能になることで、次第にボタンの数が増え、ディスプレイもQVGA(320×240ピクセル)と広がった。専有面積も増えたことで、ますますキーの配置に工夫が施されるようになってきている。

 そのような工夫の1つとして、近年見られるようになってきたのが、「キーを背面に置こう」という提案だ。

背面・触覚操作による文字入力インタフェース「Behind Touch」

 「インタラクション2003」でも、福岡工業大学短期大学部の平岡茂夫助教授、アイムの宮本一伸氏、九州芸工大の富松潔氏らのグループが、この「キーを背面に置く」提案を発表していた。それが携帯電話のための背面・触覚操作による文字入力インタフェース「Behind Touch」だ。試作的に実装し、PC用に入力可能にした携帯電話型のモックアップも作られていた。


Behind Touchのモックアップ


Behind Touchのモックアップ背面。キーボードが割り当てられている

 キーを背面に置くということは、キー自体が目に見えない位置に配置されることになる。その場合、キーの押し分けは、ユーザーがキーの配置イメージをどう心理的に描くのか、ということに強く依存するようになる。

 (開発サイドから見て)ここで重要になるのが、どのような配置イメージをユーザーに作らせるかということだ。

 例えば、普通のキーボードを裏返しにすると、ボタンは仮想的な視覚的には、右から「1」「2」「3」と並ぶことになる。しかし、指のつながりでは、左から「1」「2」「3」と並ぶように思えているかもしれない。

 逆に、このBehind Touchのようにキーを鏡対称に配置していると、キーの物理的な配置は右から「1」「2」「3」と並ぶが、キーを透かしてみたとすれば、左から「1」「2」「3」と並んでいる、ということになる。

 裏返してみるか、そのまま透かしてみるか。そのどちらが自然と感じられるか、というのは、なかなか難しい問題だろう。

 配置イメージと並んでもう1つの重要になるのが、キーが正確に打てたかどうかを、どうやってユーザーにフィードバックするのか、という問題だ。キーが見えないということは、心のなかにできた心理的なキーイメージに沿って、手探りでキーを打つことになるからだ。

 Behind Touchでは、画面上にキーを表示して、押したキーを点滅させることで、フィードバックしている。この感覚は思いの外よく、慣れてしまうと、キー自体は見えなくても、けっこう入力できるようになってくる。


Behind Touchの動作試作機の画面。押したキーが反応するので直感的にどのキーを押したのか分かりやすい

 研究試作ということもあって、すぐに携帯電話に搭載されるわけではないが、注目しておきたい入力方式である。


ボディの裏側にキーを配置すると、画面を大きくできるなどのメリットがある


福岡工業大学短期大学部の平岡茂夫助教授



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[美崎薫, ITmedia]

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