Mobile:NEWS 2003年4月14日 08:27 PM 更新

ケータイカメラ画質研究ラボ〜J-フォン「J-SH010」(1/2)

2.4インチのQVGA液晶を搭載、31万画素CCDカメラは接写に対応、撮影補助用ライトも搭載──春の需要期に登場したシャープ製端末「J-SH010」のカメラ機能を見ていこう

 やはりQVGAの液晶パネルは大きくて細かくてきれいである。特に「細かい」のがよい。文字も滑らかで線が細くてきれいだから「携帯電話の日本語のフォントが汚くてイヤ」という人でもこれなら許せるはず。近いうちにハイエンド系のケータイは全部QVGA液晶になるんじゃないか。また液晶がでかいのもいい。2.4インチであり、多くのDVカメラが採用している2.5インチに迫るサイズだ。

 そんなJ-フォンのシャープ製端末「J-SH010」は、QVGA液晶にふさわしいカメラ機能を持って登場した。

 さっそくいつもの検証ポイントからカメラ性能をチェックしてみた。

  • 検証ポイント

1)撮ってからそれを送るまでの使い勝手はいいか
2)屋外での画質はいいか
3)室内での画質はいいか
4)暗いところでも撮れるか
5)その端末ならではのユニークな機能はあるか


システム液晶搭載のJ-SH010

4つの撮影モードを持つJ-SH010

 QVGA表示可能な液晶パネルに31万画素CCDのカメラを備えた「J-SH010」だが、非パケット対応端末のためロングメールで最大6Kバイトまでという送信の制限がある。せっかくの高解像度な写真を生かせないのだ。

 そこでJ-SH010は撮影目的(=撮影解像度)によって撮影モードを4つに分けた。うちひとつはアクションスナップ(要するに動画)のため、静止画は3つだ。

 まずは写メールで使える写メールモード。これは64×96、120×128、120×160ピクセルの3つの画像サイズを使える。

 2番目は壁紙モード。これはQVGA(240×320ピクセル)の液晶パネルいっぱいのサイズで撮れるモード。

 3番目はVGA(640×480ピクセル)で撮れるデジタルカメラモード。カメラの能力をめいっぱい使った画像サイズのモードだ。

 メールで送れるのはロングメールの添付ファイルサイズ制限から写メールモードで撮ったもののみだが、他の2つに関してはPCとケーブルでつなぐことで画像をPCに転送できる。この機能に関しては別項目で解説しよう。

 デジタルカメラモードと壁紙モード時は、撮影時に液晶パネルに表示される範囲が実際に写る範囲より狭くなる。液晶パネルの上下に撮影モードなどを表示する関係上、フルに使えないからだ。これはちょっと残念な仕様である。

 J-SH010のカメラ機能は2つの方法で呼び出せる。[Fキー]で出てくるメニューから「モバイルカメラ」を選ぶと現れる4つの撮影モードのうちどれを使うかを選択し、そのあとでカメラモードになるというパターン。それぞれ別モードになっているので、カメラモードにしてから撮影サイズを変更するという方式より実質的な操作ステップは少なくてシンプル。

 もうひとつは液晶パネルサイドにあるボタンを長押ししてカメラを起動する方法。この場合はいきなり写メールモードで立ち上がる。目的に応じて使い分けたい。

 基本的なカメラ機能はどのモードでも同じだ。レンズにはマクロモードと通常モード切替スイッチがあってマクロモード時は約5センチまで近寄ることができる。

 撮影は−2から+2の明るさ補正があるほかは基本的にフルオート。カメラ任せの撮影となる。デジタルズームは写メールモード時に2段階、壁紙モード時は1段階、デジタルカメラモード時はなし、となる。

 また、[*]キーを押すと背面液晶がファインダーになり、自分撮りが可能になる。

 撮影作業自体は快適で問題ないのだが、記録時間にはやや難点がある。データ量が少ない写メールモード時は気にならないが、壁紙モードやデジタルカメラモード時はかなり待たされる感じだ。ちなみにデジタルカメラモード時に「FINE」の画質で撮影すると約10秒かかる。初期のデジカメ並みだ。ここはもうちょっと頑張ってもらいたい。

 再生も簡単。メニューから「ライブラリ」→「グラフィック」で撮影した画像を一覧できるモードにはいる。表示方法は2種類。リスト表示だと高速だがひとつひとつの画像が何なのかわかりづらいし、サムネイル表示だと9枚分同時に表示できるが表示は遅い。

 画像表示は写メールモードの画像なら素早いが、QVGAやVGAサイズの画像だとやや待たされる。このへんはもったいないところだ。

 リストから画像を選んで直接写メールを送ることも可能だが、画像サイズによって方法が異なるのが面白い。  VGA画像の場合は自動的にファイルサイズが6Kバイト以下になるよう画像が縮小されてメールされる。もちろん画像サイズも小さくなのでちょっともったいないが。

 QVGA画像(壁紙モード)で撮った画像は画像分割メールというユニークな技で送ることもできる。240×320ピクセルの画像を120×160ピクセルの画像4枚に分割して、4つのメールに分けて送るのだ。受け取った側がそれをまた結合して1枚の画像にしなければならないが、アイデアとしては面白い。

基本画質をチェック

 曇天下の昼間、屋外で各種撮影をしてみた。

 まずはチューリップ。写メールモードの3つの撮影サイズからVGAサイズまで順番に並べてみた。

左から64×96、120×128、120×160、240×320、640×480ピクセル(240×320、640×480ピクセルの画像はクリックで生データ)

 もっとも小さい64×96ピクセルと120×128ピクセル時は120×160ピクセル時の画像から中央部分をトリミングして切り出しただけとなっている。

 240×320や480×640ピクセル時は全体に色や階調が浅めで地味ではあるが天候を考えると悪くない感じ。

 続いて恒例のリスのオブジェ。こちらは120×160ピクセル、QVGA、VGAの3パターン。けっこう頑張ってはいるが、VGAモードで撮るとどうしてもディテールが甘くなってしまう。QVGAくらいで撮った方が細部が締まっていい感じになりそう。

左から120×160、240×320、640×480ピクセル

 最後は象のすべり台。これは壁紙モードでの撮影。空と地面が半々で入っていてカメラ的にはつらいシチュエーションだが、全体のバランスはまあまあ。空と木の境目がつぶれて同化しているが、ちょうど桜の花が咲いていて同化しやすいシチュエーションだったので仕方がないところも。


240×320ピクセルの壁紙モードで撮影

 ただ、色強調がかかっているのか、赤や青といった原色系の色がほかに比べて浮いて目立つ傾向があるようだ。それはそれで、画像を鮮やかに見せるには悪くないが、色味が弱いものと強いものが混在する構図ではどうしても浮き気味になってしまうのである。

[荻窪圭, ITmedia]

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