Mobile:NEWS 2003年4月14日 08:28 PM 更新

ケータイカメラ画質研究ラボ〜J-フォン「J-SH010」(2/2)


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室内での撮影

 まずは蛍光灯下でカラフルな瓶や缶を並べて撮影。120×160ピクセル、QVGAとVGAの3つ。発色は悪くない、というか非常によい。ちょっと人工的な色の方が色が映える絵作りといっていいくらいである。ディテールの甘さ(このレンズではしょうがないが)以外は何の問題もなかろう。

左から120×160ピクセル、QVGA、VGA(QVGAとVGAはクリックで生データ)

 続いて白熱灯下で撮影。かなり補正はされているが、背景の白い紙を見ると色が安定してない。中央部はやや赤目だが周辺部は赤みが消えている。でもやや照明の雰囲気を残した補正がかかっていると思えばそう悪い結果でもない。

左から120×160ピクセル、QVGA、VGA(QVGAとVGAはクリックで生データ)

暗所での撮影

 室内の照明を消し、ろうそくを2つだけ立てて撮影してみた。CCDだけあってかなり暗くてもがんばって色を出しているし、撮影条件を考えれば結果は上々。

 ただ、大きなろうそくが置いてあるろうそく立ては青い瓶ではあるが、ろうそく立て底部に見える青い光は肉眼では見えなかったもの。また、右中央部にもやや青くかぶっている箇所がある。それ以外はケータイとしては問題ないレベルの写真が撮れているといっていい。


ろうそくの灯りだけで撮影

 暗所でJ-SH010を使うとなると気になるのがストロボ機能。[#キー]を押すとオン/オフを切り替えられ、メニューからは継続点灯時間と点灯時のカラーが選べる。カラーは8色(ただし、うち1色は色がランダムで切り替わるトロピカルなので実質7色)。どれも明るくて鮮やかな色だ。ライチフルーツ、チェリー、レモン、マスカット、ブルーベリー、グレープ、ペパーミントの順で並べてみたので確かめてほしい。


 ライトはかなり明るく(従来比2倍だという)、暗所では十分役立つし、このカラフルな色は思った以上に楽しめそうだ。

その他の機能は

 J-SH010はマクロモードを持っているのでその効果を検証してみた。

 レンズ前3〜4センチまで近寄って撮り比べたところ、マクロモードだとしっかりピントが来る。これは使えそう。

左がノーマルモード、右がマクロモード

 動画はアクションスナップモードと呼ばれている。Nancy形式の動画で120×88ピクセルで秒間5フレーム。最大60秒まで撮影可能だ。

 この動画はPCに取り込んで見ることができないので(J-SH09のアクションスナップは可能だが、J-SH010のアクションスナップは現時点では転送ソフトが未対応のため)、今回はサンプルはない。

撮った画像をPCに吸い上げる

 冒頭で書いたとおり、写メールモード以外で撮影した画像はメールで送ることができないため、それを誰かに渡したりPCで見るには、ケーブルでPCに転送する必要がある。そのためのソフト「グラフィックマネージャー」はシャープのWebページで公開されている。

 これは無料なのでダウンロードすれば誰でも使えるが、転送ケーブルは別途用意しなければならない。現在動作保証されているのがアイ・オー・データ機器の「USB-PDC2」のみで実売価格は4000円弱程度だ。両者を用意すればあとはケーブルでつないで転送するだけだ。


PC取り込みソフト「グラフィックマネージャー」のインタフェース

 ただしこのソフトはお世辞にも使い勝手がいいとはいえない。「通信の設定をし、画像読み込みをクリックすると画像をJ-SH010から読み込む」というシンプルなソフトなのだが、その手順が問題なのだ。

 まず端末側で転送したい画像をリストから選んでおき、次いで「画像読込み」をクリックするとその画像が転送されるのである。例えば10枚の画像を読み込みたいときは、J-SH010上で画像を選んでPC側で「画像読込み」をクリックして転送して、終わったらPC上ではOKをクリック、J-SH010上ではFキーを押して完了させてから、次の画像を選んでPC側で「画像読込み」をクリックして……を10回繰り返す必要があるのである。

 いくら無料のソフトとはいえ、これはあまりに前時代的。一刻も早く、「PC上でJ-SH010上の画像を一覧して転送したいものをその場で選んでまとめて転送」というようなものにバージョンアップしてもらいたいと思う。

この液晶パネルで見ると素晴らしい

 このようにJ-SH010はパケット通信には未対応の端末だが、カメラ機能はかなり頑張っている。ロングメールという制限がありながらも画像分割メールなどユニークなアイデアで頑張っているし、使い勝手が悪いとはいえ無料の画像転送ソフトもあるためPCに転送して画像を楽しむこともできる。

 画質も悪くない。撮った写真をディスプレイ上でそのまま見るとすごくキレイである。

 ただこれはPCに転送してPCのモニタで見るよりずっといい。端末上で画質を見て「これはキレイっ」と思ってもパソコンに転送するとちょっとがっかりすることもある。まあそのへんはPCがメインというわけではないので、この記事を見て画質をチェックした人は、心の中で「J-SH010の液晶モニタ上で見るときはこの2割くらいは鮮やかに見えるんだな」と思っておくといいだろう。

 そんなわけで壁紙モードやデジタルカメラモード時の記録や再生に時間がかかってもたつくことと、「グラフィックマネージャ」の使いにくさ以外はなかなかお勧めできるカメラ機能といっていい。

 ここまでくるとJ-フォンにもQVGA液晶端末を念頭においた新しい写メールの規格を用意してほしいところだ。



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関連リンク
▼ J-フォン
▼ シャープ

[荻窪圭, ITmedia]

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