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2003年5月26日　10:30 PM 更新

ニッカド電池【にっかどでんち】

　ニッカド（Ni-Cd）電池は、ニッケルカドミウム（Nickel-Cadmium）電池を省略したもので、ときとしてニカド電池とも呼ばれる。充電、放電の繰り返しが可能な二次電池の一種で、正極の活物質にニッケル酸化物、負極の活物質にカドミウム化合物、電解液に水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液を用いる。

　ニッカド電池の公称電圧は1.2V。安定した放電が連続してできることや、約500回程度の充電が可能なことなどから、家電を中心にさまざまな用途に利用されてきた。ニッカド電池の欠点として、メモリ効果が挙げられる。メモリ効果とは、完全に放電をしきらずに充電を繰り返し行った場合、見かけ上の容量が減ってしまうという現象。具体的には、満充電をしてもすぐに電池が使えなくなる、ということが起こる。このメモリ効果を解決するには、完全に放電した後に充電を行うという過程を数回繰り返す必要がある。

　だが、ニッカド電池の最大の欠点は、活物質として使われているカドミウムが、環境汚染の原因となる有害物質であるという点だ。カドミウムが人間の体内に入った場合、代謝されず蓄積され、やがてガンなどの症状を発することが多いとされている。その顕著な事例では、富山県神通川流域で発生したイタイイタイ病がある。

　ちなみにイタイイタイ病は、カドミウムの慢性中毒により生じた公害疾病。鉱山活動に伴って排出されたカドミウムが、米に蓄積しそれが体内に摂取されやがて発病に至ったものとされている。現在では、大気汚染防止法や水質汚濁防止法によってカドミウムの排出そのものが規制されている。

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[江戸川, ITmedia]

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